FACE MAKER
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93 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/21(月) 19:04:29.55
- フェイスメーカーってドラマ
とある闇整形外科医は、お金を取らずに整形手術を行い、患者を完全なる別人へと変貌させる凄腕を持つ。
しかし無償で行うわけではなく、代わりにその患者の「元の顔」をもらう。
「元の顔」をまた別の患者の整形後の顔に仕立てているのだった。その回の主人公の女性は、夜道で殺人現場に遭遇した。
口封じにと襲いかかる犯人からなんとか逃げられたものの、相手に顔を見られてしまった。
後日に警察に行ったが、現場にはもう痕跡は残されておらず、デマだろうと相手にしてもらえなかった。
いつか犯人に口封じに殺されるかもしれないと恐れる主人公のもとに、
無料で整形手術を行ってくれるという闇医師の噂が届いた。身寄りのない主人公は、いっその事、整形手術を受けて全くの別人になってしまえばいいと思いついた。
殺害現場のシーンを繰り返し悪夢に見るほど追いつめられた主人公は、とうとう手術に踏み切った。
こうして彼女は心安らかに別人として生きていくようになった。
以前からの馴染みの店で香水を買っても、店主は気づきもしなかった。
新しく就いた仕事にも慣れた頃、手術を行った医者が彼女の前に現れた。
なんでも、主人公の「元の顔」が売れたのだという。
あの顔だと命を狙われるかもしれないのに、と主人公は抗議をするが、医者にはスルーされた。
新しく自分の顔を手に入れた人に危険が及ぶかもしれないと思った主人公は、
かつての自分の顔をネット上に尋ね人として晒し、行方を探った。とうとう情報が割れ、主人公がその人の家に辿りつくと……開け放たれた部屋の中、そこには胸を刺され倒れている、
かつての自分と同じ顔をした女性の姿があった。
しばらくの間主人公は悪夢を見る事がなくなっていたが、その晩からまた繰り返し見るようになった。
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94 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/21(月) 19:05:22.80
- 主人公はとある男性と親しくなり、彼とすぐに恋仲になった。
夜中に時々、悪夢により悶え苦しむ主人公を案じた男性はその理由を問いただしてきた。
主人公は、殺害現場を目撃した事、犯人から逃れるために整形手術を行った事を全て話した。
それを聞き届けた男性は、ニヤリと笑うとナイフを持ちそれを主人公に向けようとしてきた。
なんと犯人は男性だった。彼は、目撃者である主人公を探し続けていたのだった。
顔を覚えていたため、ネットで晒された写真と情報を手掛かりに例の別の女性を発見したが、
彼女が「誰かと間違えている 私は手術でこの顔をもらっただけ」という言葉を気がかりにしていたのだという。
その後に、初めに殺そうとした時に嗅いだ独特な香水の香りを思いだし、
日本ではわずか数点でしか売られていないという海外製のその香水の購入者を洗い出し、主人公に辿りついたのだった。
主人公は殺されかけるが、そこに以前から男性の動向を怪しんでいた警察がやってきて助かった。
男性は、主人公の目撃した一件だけではなく常習者なのだった。犯人が逮捕された事で本当に安心していられるようになった主人公だったが、それでも悪夢は毎夜襲ってきた。
そんな彼女の前に、手術を行った医師が現れた。
顔面についての造詣が深い医師は、以前に主人公が「自分の顔を持った人が危ない目にあってしまう」と抗議してきた時、
彼女が嘘をついている事、実際には彼女は心配ではなく喜悦を感じていた事を表情から見抜いていた。
ネット上に写真を晒し上げたのは心配して危険を知らせてあげるためではなく、
行方を追っている犯人に対して彼女の居場所を間接的に教えるためだったのではないかと医者は言う。
それは図星だった。今は自分の顔を持って生きている別の人物を身代わりにすれば、
完全に自分は安全になるのだという計算が主人公にはあったのだった。
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95 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/21(月) 19:06:28.99
- そして「身代わり」が殺された日。主人公が部屋に辿りついた時、身代わりはまだ生きていた。
救急車を呼べば助かったかもしれなかったが、主人公は自分の安全のために彼女を見殺しにしたのだった。
それ以来彼女が見るようになった悪夢は、殺害現場のあのシーンではなく、
死に怯えて助けを求める、自分と同じ顔の女性の姿へと変わった。
これからも、主人公はその悪夢を見続ける事になったのだった。色々つっこみどころのある話だったけど落ち込んだ