アロイス(萩尾望都)

491 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/22(月) 05:12:37.81
萩尾望都の「アロイス」って漫画も二重人格ネタだった。
細かい部分は忘れたのではしょるが。

ドイツの寄宿舎で暮らしている学生のルカス。
彼は明るく健康的な比較的優等生だったが、ひとつだけ教師達から問題視されている事があった。
ルカスは自分の中にもう一人の人格「アロイス」が存在し、
時々ではあるがそのアロイスに成りきって話す事があった。
夏季休暇に入り、ルカスは仲の良い友人達を連れて実家へと帰る。
そこで幼馴染の少女や病弱であるその弟と再会、そして元医者だと言う小説家の男と出会う。
ルカスは少女に惚れており様々なアプローチをするが、アロイスの邪魔が入って中々うまくいかない。
一方、小説家はルカスとアロイスに興味を持ち母親に話を聞くが、
そこで母親から実はルカスには双子の兄がいた、という話を聞く。
しかし、ルカスの双子の兄は産まれてすぐ亡くなったのだが、その事を幼いルカスに話してしまい、
それ以降ルカスは自分の中にアロイスがいると思い込んでいるのだと言う。

小説家はルカスの二重人格は母親が原因だと指摘し、
母親もそれを認めルカスに「本当はアロイスなんて存在しない」と説く。
アロイスの存在を否定された事にショックを受けたルカスだったが、
更にその晩少女の弟が亡くなるという悲劇が起こる。
悲しむルカスにアロイスの声が聞こえてくる、「自分があいつを殺した」と。
怒りと悲しみで感情が制御できなくなったルカスは自殺する。
が、ルカスの葬式の途中、突然ルカスは目を覚ます。
ルカスが生き返った事で母親や少女、友人達は喜ぶ。
そして、夏休みが終わり、寄宿舎へと戻るルカス達。
クラスメイト達に挨拶される中、
ルカスは「ルカスという名前は嫌いだ。これからはアロイスと呼んでくれ」と言うのだった。

 

アメリカン・パイ (秋田文庫)
アメリカン・パイ (秋田文庫)