こどものじかん/学校裏サイト(私屋カヲル)
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777 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/31(水) 12:38:28.74
- この前読んだ話
とある小学校の教員たちは、いわゆる「学校裏サイト」を発見した。
学校について児童たちが語る匿名掲示板で、授業だるいとか担任うざいとか、
悪口じみた幼稚な書き込みがあったりもしたが、
特定生徒へのバッシングなどの著しい問題は見られず、
中学受験についてなど有益な情報交換も行われているようなので、
先生たちは特に問題視はしなかった。もしいじめなどが起こったら、こういう匿名の場での方が早期発見できるかもしれない、
そんな真面目な考えと、多少の好奇心から、若い先生たちは掲示板を監視するようになった。
休み時間なら携帯電話の使用が認められている学校なので、
平日昼間でもリアルタイムに書き込みが増えて行き、掲示板はどこのスレッドも繁盛していた。
恋愛について語るスレッドで、ある書き込みがなされてからは、お祭り状態になりますます盛り上がっていった。その書き込みとは、「初エッチをした」という6年生の女子児童の書き込みだった。
匿名なのでもちろん誰かはわからないのだが、同じクラスの男子と、公園の障害者用トイレにて行為に及んだという。
その公園は先生も児童も誰でも知っているような近場のもので、発言が生々しく思えた。
嘘じゃないかと煽られてその児童は、校章の入った裏返した名札とコンドームの写真をうpした。
児童たちはそれにますますヒートアップして、掲示板は卑語が飛び交う有様になった。小6同士ならセックスに犯罪性はなく、誰の発言かもわからないため先生たちはどうしようもできない。
先生たちが心配したのは、その子の発言に影響されて、他の児童たちが安易に真似をする事だった。
その学校では性教育をきちんと行っていなかったので、知識のない子を危惧する思いがあった。
性教育については敏感な保護者が多数おり、その学校では初潮と精通の仕組みについては行ったものの、
避妊などについては教えなかった。それでも「教えるな」と激しい批難をする保護者は複数いた。
悩んだ先生たちだったが、PTAにも見つかっていない匿名の場である事を生かし、掲示板で性教育をする事を思いついた。
ませた児童たちに混じり先生たちは、コンドームによる避妊の不確実性、
早期の性行為・妊娠が肉体に与える危険性や社会的な不都合を説くようになった。
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778 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/31(水) 12:39:58.53
- 先生たちによる性教育工作により、抽象的なエロ話に興じていた児童たちも、
段々と萎えた様子で落ち着いていった。
しかしそんな時、その掲示板が2ちゃんねる的なサイトに晒され、
大人たちが一斉になだれこんできてしまった。
教育委員会や児童相談所に通報するといった書き込みが相次ぎ、
学校に対しての電凸もひっきりなしに行われるようになった。児童に対し正しい性知識を与える事などはもうできたしと、
先生たちはプロパイダに連絡し、裏サイトを閉鎖してもらった。
このままネットの大人たちによる騒ぎが加速し、
例の児童の個人情報が特定され晒されでもしたら、その子に一生消えない傷をつけてしまうからだった。その騒動は校長の耳にも届き、校長は六年生全員を対象にした集会を開き、
インターネットには危険がたくさんあり、いじめの温床にもなると長々と説教をした。
そして最後に、問題の書き込みをした児童は挙手をして名乗り出なさいと言った。
若い先生たちが、流石にそれは……と止めにしようとしたその時、
児童たちは、ほぼ全員が揃って挙手をした。結局うやむやになり、裏サイトが消えた事で2ちゃんねる的な人たちの突撃も沈静化した。
例の名札とコンドームの写真に気づく事があった。
名札は安全ピンで刺す形式なのだが、ピンの方向が通常とは違っていた。
左利きの子が刺しやすいようにとよくやるような、逆向きに刺されたピンとなっていた。
6年生の女子に左利きの子はいない。
例の写真は、男子か、あるいは他の学年の生徒か卒業によるもので、単なるネタであったらしかった。
先生たちはほっとしながらも、子供たちの本音が聞ける場が失われた事を少し悲しんだ。初潮と精通について教えてクレームくるってキチガイじみてると思った