消えた妻
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625 名前:本当にあった怖い名無し :2011/11/06(日) 00:16:19.43
- 前に見たノンフィクションドキュメンタリー
とある女性は、一人でいたところを事故に遭った。
事故のショックで女性は記憶喪失になり、所有品もひどい事故のために散逸してしまい、
女性の身分を示すものはなにもなく、彼女が一体誰なのかわからなくなった。
テレビやネットがあまり発達していない地域らしく、大きな報道もなされなかったようで、
彼女が何者か知っているという人も出てこなかった。実は女性は子供もいる既婚者だった。
帰省のために子供たちを夫に任せて出かけたところ、事故に遭っていた。
妻が消えてからの10数年、夫は一人で子供を育てながら妻を探し続けていた。
やがて捜索は実を結び、夫は妻を発見した。
だが彼女は再会しても夫の事を思い出せなかったし、子供を見せても記憶は戻らなかった。
そして彼女はもう既に別の男性と結婚していた。
結婚相手は事故を起こした運転手で、取り返しの付かないことをしたという責任感を、
長い時間の中で愛情に変え、妻を真面目に愛する人物だった。女性は記憶を失ってから新たに戸籍を取得していたが、
身元がわかった以上、法的には女性は前の夫の妻のままだし、
もうだいぶ育ったとはいえ子供たちのためにも妻を取り返すべきかと夫は考えた。
だが夫は、妻を諦めることにした。
10数年の中で妻はもう別人としての幸せを得ているし、
妻の中ではつい最近出会ったばかりの存在である夫たちと暮らす事を強要できなかった。
行方不明になったのは、拉致されたり殺されたりしたせいじゃないかと思っていたので、
そんな事がなくて普通に暮らせているだけまだ良かった、
そう思うことにして、夫と子供は女性のもとを去っていった。