西荻夫婦(やまだないと)
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952:本当にあった怖い名無し:2013/04/07(日) 03:29:46.48
- 彼女んちにあった『西荻夫婦(やまだないと)』が後味悪かったっていうか、モヤッとした。
彼女いわく
「桜沢エリカとか岡崎京子とか南Q太ヤマダエイミとかセクシーな方面の中二病こじらせちゃった子
とかが好んで読んでたいわゆるフィールヤング系の漫画だから深く考えるな感じろ!」
らしいが、以下簡単なあらすじ。ナイトー先生(漫画家)とみーちゃん(会社員)は結婚して7年目の夫婦。住まいは西荻窪。
早起きして二人で大家さんちの犬の散歩したり、近所の飲み屋に行ったり
(ナイトー先生が締め切りブッチして)一緒に香港旅行に出かけてみたり
二人でお墓を買った事、子供を持たないと決めた事、生理痛がひどい事
新しい帽子を買った事、近所の公園でカラスの巣を撤去していた事…
他愛ない夫婦の生活が、みーちゃんの視点だったり、ナイトー先生の視点からだったりで綴られる。
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953:本当にあった怖い名無し:2013/04/07(日) 03:31:57.39
- みーちゃん視点の漫画からは常に「二人でいるのに一人を感じる孤独」
「自分たちが他人という事を忘れてしまい、それに次気づくのはどちらかが亡くなる時かもしれない」
みたいな、漠然とした不安というか、寂しさがつきまとっている。
(この「終わりの感覚」みたいなのは90年代独特の雰囲気だと思う)ナイトー先生はみーちゃんを大切にしながらも、女の子と浮気してたりして
実はみーちゃんはそれに気付いてて
浮気中の現場に乗り込んで首かっきって自殺する物騒な妄想なんかもしたりする。ちょくちょく具体的な店の名前が出てきたり、実在する人物が漫画の中に登場したりするので
実録夫婦モノ?やまだないとのエッセイ?という空気も漂っている。
最後の数ページまではそんな感じ。最後数ページ。
編集者と打ち合わせするナイトー先生。
編集「その後、奥さんいかがですか?」
ナイトー「よくもならないけど悪くも…悪くはなってるかなーははは…」
「でも今落ちついてますよ、よく食うし」
みーちゃんに何かが起こって、その後も何かしら調子が悪い、
というのが短い会話だけで暗示される。急にナイトー先生が友達連中と楽しく飲み会してる場面が始まって
女の子が「漫画読んでますぅ~」なんて寄ってって、酔っ払ったナイトー先生は女の子と手を繋ぐ。
そりゃもう強く女の子の手を握る。
女の子の顔なんか全然見てなくて、何か別の温もりとか救いを求めるように。
その後、ナイトー先生とみーちゃんが手を繋いで歌をうたいながら幸せそうに歩いてるシーンが入る。みーちゃんに何があったのか、精神的に壊れちゃったのか
妄想通りに浮気現場で首かっきったのか、それとも他に病気でもしたのか。
最後の幸せそうなシーンは、現実なのか、回想なのか、妄想なのか、一切説明はない。いい映画見たみたいな面白い漫画だとは思うけど
読後の寂しさが半端ないわ。