人懐っこいチャー

921本当にあった怖い名無し:2014/01/23(木) 16:07:00.14
私が体験した話

小さいころ、近所にチャーって猫を飼っている家があった
チャーはとっても人懐っこくて、
そこの家の近くを通る度チャーに会えるのをとっても楽しみにしてた
(家と外を出入り自由でよく塀の上にいた)

ある日、その家の近くを通ったら庭にはチャーと子猫がいて、
当時幼稚園児だった私は
(チャーは結婚して子供を産んだんだ!お婿さんにも会いたいな)
とすっかり感動していた

その後もチャーは何回か子供を産んで育てていたが、
ある日からチャーの姿を見かけなくなったので
寂しくなった私はある夜、母にチャーの行方を聞いてみた
「ねえお母さん…チャーはいなくなっちゃったの?また会えるよね?」
「チャーは………修行に行った。
 〇〇山(私たちが住んでる町でも登頂が一番難しい山)に修行に行ったの」
「修行…?」
「チャーは修行に行ったんだよ。強くなって帰ってくる」
「すぐ帰ってくるよね?」
「修行だからわかんないな…強くならないと帰って来れない」
「さみしいけど早く帰ってくるといいね」
「うん…」

それから数年後、チャーのことをふと思い出した私は母にチャーの行方を聞いてみた
「お母さん、チャーは修行に行ったって言ってたけど本当はどうなったの?
 子猫と一緒にどこかに貰われてったの?」
「本当はね…本当はチャーは〇〇山に捨てられたの」
「えっ…」

もう本当にショッキングな答えだった

「チャーっていっぱい子猫を産んでたでしょ?
 あれは野良猫との子供であんまりにも子供を産みすぎて里親を探すのも大変だし、
 野良猫に畑も荒らされる被害も出てたみたいでもう山に捨ててくしかないって。
 ××さん(飼い主)もすごく悩んだ結果だったみたい」
「じゃあもうチャーは…」

〇〇山は登山者が何人も死んでいる山だ
森があって食料になる小動物がいるとかならまだしも、
不毛の岩山で猫なんて生きていけるはずがない

「お母さん、お前にどう伝えていいかわかんなかった…
 チャーがかわいそうでかわいそうで…。」
私も母もわんわん泣いた

保健所に連れて行くのも酷な選択だけど
わざわざ厳しい環境の不毛の岩山に連れて行かなくても…と思った
母も幼稚園児の娘に自分もかわいがっていたチャーの末路を
どう教えていいのかすごく悩んだだろうし、
私も未だに思い出すだけで悲しくなるし、後味悪い経験だった