スパイス(森岡浩之)
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406 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/11/30 13:03
- 森岡浩之氏の小説「スパイス」はガイシュツですか?
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407 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/11/30 16:13
- >>406
ガイシュツじゃない。
詳細教えて~
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408 名前:406 投稿日:02/11/30 17:10
- こんな話です。
主人公は一人の女性ジャーナリスト。
視聴率を重視する社の傾向に疑問を感じながらも仕事をしていました。物語世界には、周到な計画と卓越した手腕で巨万の富を築いた男がいました。
彼は手にした財力と権力をもって一つの計画を秘密裏に進めさせていましたが、
ある日その概要が明らかになり社会が騒然となります。進められていたこととは、人間のDNAを人工的に組み立て、ヒトの個体として誕生させるための研究でした。
彼はその研究が完成すると理想の女性像を描き、その容姿をDNAコードに変換して遺伝子を合成し、
それを基にして人工子宮で人間を育てました。その女性を食べるために。人工子宮の中で機械に接続され、幸せな家庭をプログラムした仮想現実世界で育てられていた少女は、
ある日突然現実世界に目覚めさせられて自分が食用として生み出されたことを知らされます。男は自分の計画を世間に公表し、自らが築いた警備システムに守られた建物の一室で
いつか自分が食べるつもりである少女と暮らし始めます。
しかし彼は少女をすぐに食べるようなそぶりは見せないのでした。
(つづく)
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409 名前:406 投稿日:02/11/30 17:11
- (つづき)
計画に反対する人々が集結する中、主人公は男に指名され、少女との単独会見を行います。
男の主張によればこの少女は食用に合成された人工物であり人間では無く、
よって少女を食べることに何ら問題は存在しないことになります。
しかし彼女の前にあらわれたのは、幸せな家庭で育った記憶を持つ、ごく普通の一人の少女でした。単独会見の模様は放送され、大きな反響を呼びます。
ついに政府も動き、少女が人間であると認め、それを食べることは犯罪であると発表します。
しかし男の築いた警備システムは侵入者をよせつけず、少女を救出することは困難でした。そんな時、主人公の元に男から電話が掛けられてきます。
テレビ電話の背景に映るのは、取材の時に紹介された彼自慢の厨房でした。
これから「調理」を始める。そしてこの回線は切らない。
彼はそう伝えてきました。少女が人間と認められたことで、彼はタブーというスパイスを手に入れたのです。
彼は長い計画の終わりに目的を達しました。
主人公が叫ぶ中、その模様が独占生中継のかたちで放送に流される場面で物語は終劇を迎えます。以上です。
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410 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/12/01 00:26
- >>408-409
おおお!オチ(゚д゚)ウマー 後味激しく(+д+)マズー
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413 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/12/01 12:19
- >408-409
>410
少女はウマーかったというオチなんでつか?ヒーしかしよくそんな話で・・・売れたの?その小説・・・
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414 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/12/01 14:48
- >408-409
おお、凄いオチだ。
なんか猟奇的ではあるけれど悲しい話だな。
藤子不二雄Fの短編みたいな。検索してみたら星界の紋章シリーズの
の作者さんなんだな。知らなかった。
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417 名前:406 投稿日:02/12/02 09:33
- >>410-416
満足していただけたようで嬉しいです。
私も読んだ時はオチ(゚д゚)ウマー 後味(+д+)マズーと思いましたです。>>413
そんなに長い作品では無く、雑誌に掲載される形で発表されたようです。
(SFマガジン誌 1993年6月号)>>415
単行本としては発売されていませんが、森岡氏の作品集に収録されています。
現在は文庫化されていますのでそちらの方が手に入れやすいと思います。
早川書房 ハヤカワ文庫JA
森岡裕之作品集「夢の樹が接げたなら」収録
ISBN4-15-030690-7 (2002年3月発行)