老犬

840 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・  投稿日:04/03/29 15:27
小学生の頃。
近所の公園に老犬が毎日のように現れるようになった。
人に慣れていて、首輪もしてて、毛並みも良かったので、どこかで飼われているのだと思った。
が、後日、公園を管理している人から聞いた話では、捨て犬とのこと。
それからは、妙に気になって毎日公園に様子を見に行った。
何日かすると、あんなに綺麗だった毛並みが汚れ、小太りだった体が痩せていった。
でも、人懐こい目が可愛く、毎日一緒に遊んでいた為か、顔も覚えてくれたみたいで、
私の姿を見ると駆け寄ってきてくれたりして、それが子供心にとても嬉しく、
どうにかして家で飼えないものかと、両親に頼んだが、当時住んでいた
マンションが「ペット禁止」だった為に飼えず、泣く泣く諦めた。

或る日、公園に行ったら、老犬の体にマジックで「バカ犬」と落書きがされていて、
目の上に黒々と太い眉毛まで書かれていた。
眉毛の上には「マユゲ犬」とヘタクソな字まで書かれていた。
慌てて母親を呼んできて、一緒に体を洗ったけど、油性で書かれた為に洗っても
洗ってもなかなか落ちなくて、何故か洗ってる時に涙がでた。
ところが、その日以来老犬は姿を消した。
(あまりにゴシゴシ洗いすぎたから、痛くなって、私のこと嫌いになったのかな?)と
思うと悪いことをした…と悲しくなった。