不滅の恋・ベートーヴェン

766 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/04/08(金) 10:46:58
ゲイリー・オールドマン(「レオン」のジャンキー麻薬捜査官役の人)主演の映画
「ベートーベン・不滅の恋」。
この俳優が好きなので見てみたんだが
面白かったんだけどラストがどうにも個人的に後味悪かった。

※以下映画の根本的な部分(推理小説でいう犯人とトリック明かし)のネタバレ含む

天才音楽家ベートーベンが亡くなった。
さまざまな女性と関係を持ったが未婚だった彼の遺品を
彼の友人であり弟子であったシンドラーが整理していると
「私の楽譜、財産のすべてをわが”不滅の恋人”に捧げる」という遺書が出てくる。
”不滅の恋人”にあてた手紙は
「私のすべて、私の天使、私の分身」という文章からはじまるという
すばらしい才能があったが傲慢で毒舌でかんしゃく持ちで女ったらしだった
彼の書いたとは思えないロマンチックなもの。
ある日とあるホテルで待ち合わせをしたものの
なんらかの事情で会えずじまいだった女性にあてて書かれたもののようなのだが
そのホテルの記録簿にある当該女性と思われる名前はどうも変わった名前。
シンドラーは彼と関係のあった女性のもとを訪れ”不滅の恋人”探しをはじめる。

(続く)


767 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/04/08(金) 10:48:43
で、”不滅の恋人”探しをしながらベートーベンの人生をたどっていくことになる。
ベートーベンは聴力を失いつつあることを他人に知られることを恐れ
生来の性格に加えなおかたくなになっていっていた。
天才的な才能を持ち最高の音楽家として評価されていたが
自分の作り出した音を聞くこともかなわず孤独を抱えて日々を過ごすベートーベン。
自分が父親に殴られながら育てられたため家族に屈折した愛情を持っていた彼は
弟が結婚するときには弟の妻を娼婦扱いして激しく罵倒し対立する。
が、弟の息子(つまり甥)のことは溺愛し、自分の後継者に育てようとした。
弟が病気で亡くなったあとは金と立場にものを言わせて裁判を起こし、甥の養育権を奪い取るが
甥は長ずるにつれ自分の才能のなさを認めざるをえなくなり
厳しいレッスンとプレッシャーに耐えられず自殺未遂を起こし母のもとに帰ってしまう。

んで、結局”不滅の恋人”はというと
彼が家庭教師をつとめた令嬢でもなく
耳が聞こえず演奏会で失態をおかした彼を助けた子持ち未亡人の伯爵夫人でもなく
実は娼婦扱いして対立していた弟の妻ヨハンナだった、というオチ。
独身時代、弟が結婚するまでふたりは関係を持っていたのだった。
しかも弟だけが知らない三角関係。

シンドラーはヨハンナに”不滅の恋人”宛の手紙を渡し去っていき
ヨハンナは泣き笑いのような表情で手紙を読む…という演出としては泣ける感じで終わっているのだが
正直ここまでひっぱっといて二股女かよ?!そりゃねえだろ!と思った。
ゲイリー・オールドマンのキレた、それでいて深みのある演技が
ほんとに天賦の才能と孤高と悲哀を感じさせられてよかったんだが正体だけがもう。

この手紙は実在するらしいんだけど”不滅の恋人”の正体は映画オリジナルだそうです。
長文スマソ。


769 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/04/08(金) 11:54:03
正体オリジナルだったら確かに「フタマタかよ!」と思うわなぁ…。
事実なら諦めも付くが、ベートーベンが可愛そうだ。

770 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/04/08(金) 12:42:14
>>766-767
それはツッコミたくなるわな。
二股女じゃなあ・・・
どうせだったら幻のままで終わるか
恋人は音楽だったとかで終わればいいのに。

772 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/04/08(金) 13:08:41
>>766-767
テレビでやってたのを途中から見ただけなので間違ってたらごめん。

妊娠していた彼女と(駆け落ちの約束をして?)ホテルで待ち合わせたけど
嵐かなにかで馬車が遅れ、ベートーベンは間に合わなかった。

彼女の方は彼に捨てられたと思い、彼の到着直前に帰ってしまう。
でも、お腹の子には父親が必要・・・ということで、
手っ取り早くベートーベンの弟とくっついた。

って経緯だった気がするけど。。

つまり甥はベートーベンの子。
(ベートーベンがそれを知っていたかどうかは覚えてません)

捨てられたと思い込み、頑なにベートーベンを拒否して
夫を愛し、子供を手元に置こうとした彼女。
遅れた負い目もありながら、あっさり別の人とくっついて子まで生んだ
彼女を娼婦とののしり、子を奪ったベートーベン。

そういう切ない後味悪さはあった気がする~


777 名前:766-767 投稿日:2005/04/08(金) 15:08:12
この文章で伝わるかどうか不安だったけどだいたい伝わってみたいでよかった。

>772
補足サンクス。テレビでやってたのか…
そうそう、その嵐で足止めをくらった夜に書いた手紙が”不滅の恋人”への手紙だったんでした。
ベートーベンはたしか甥が自分の子とは知らなかったんじゃないかと思う。

ただベートーベンに捨てられたと思い込んだ彼女がその後弟とくっつくんならいいんだが
弟ともよろしくやりつつベートーベンと関係を続けて妊娠っていうのがどうも…
タネ明かし後の過去シーンで
独身時代の彼女に会いにきたベートーベンが熱烈にチューかましたりするときに
「だめよ、カスパル(弟)が来るわ」とか言ってたし。
まあリアルといえばリアルなのかもしれないが手紙がロマンチックだっただけに
よけいスッキリしなかったというか。

映画としてはおもしろかった。音楽もいいし(当然か)
聴力を失ったベートーベンがグランドピアノの蓋部分に耳をつけてピアノを弾くシーンが切なくて美しかった。

 

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