0の殺人(我孫子武丸)

924 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/07/07(木) 10:01:49
我孫子なんとかって人の「0の殺人」

以下、推理小説のネタバレです。注意。

資産家の老女の親戚が次々死んでいくというお話。
実は、老女を殺そうとした親戚たちが勝手に自滅しているのだが、
周りからは不可解な事故死に見える。
既に残った親戚3人中2人が死んでいる。最後に残ったのは初老にさしかかった男。
(1人は老女を毒殺しようとするが、不運が巡り巡って自分が飲むはめに。
状況的に他殺だが、その場にいた全員にアリバイがあるので迷宮入り。
1人は老女を殺しに行こうとして建物から落下。
アリバイ工作をしていたため死亡時刻がずれてしまい、やはり他殺と思われ迷宮入り)

男は知り合いのルンペンを自分に化けさせて飛行機に乗せる。
その間に老女の家に忍び込んで老女を刺し殺す。
成功したと思ったら、替え玉を乗せた飛行機が墜落。替え玉死亡。
替え玉に、自分だと印象づかせるために
できるだけ周りと話をしろと言っていたもんだから、替え玉、スッチーと話し込んでいて、
しかもそのスッチーが生き残って「最後に話をした人」と彼の名前を出してしまった。
老女は死んだ、自分も飛行機に乗っていたことが証明されて
疑われることはない。なのに死んだことになってしまった。
生きていると名乗り出れば、老女を刺した事もばれる。
実は老女は男が刺す直前に自然死していた。何もしなくても男は遺産を手に入れられた。
しかし死体相手でも、生きていると思って殺意で刺したら殺人未遂。
仕方なく替え玉男のルンペン生活を続けるはめになってしまう。
そこに、真相に近づいた刑事が現れ、追いかけられて心臓麻痺でアボン。

老女を殺そうと3人の人間が策をめぐらし、挙句自滅しているのに、
当の老女は自然死。皮肉な話だなぁと締めくくり。
犯罪者とはいえ、最後の男が気の毒で…。

 

0の殺人 (講談社文庫)
0の殺人 (講談社文庫)