新しい人形(高橋葉介)

722 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/03(月) 21:05:00
高橋葉介の短篇思い出した。
「新しいお人形」とか、そんな感じのタイトル。
凄く可愛くて、ふさふさの金髪で、ゴスロリ調の洋服の少女。
今日は、お母さんが赤ちゃんを連れて、病院から帰ってくる日。
お母さんの留守中いい子にしていた少女に、
お父さんがご褒美に前から欲しがっていた人形を買ってくれるという。
少女と同じ金髪で、青い目で、「ママ、お散歩」としゃべるやつ。
大喜びの少女。部屋に帰ると、それまで大切にしていた古い人形に話しかける。
「よくお聞き。パパが新しい人形を買ってくれるよ。
 だから、お前はもういらないの。いらなくなった人形は、どうなるか知ってる?」
生ゴミや古くなったパンと一緒に、バラバラにされて捨てられるのだ。
そこで少女は包丁を持ってくると、にこにこしながらまず人形の両足を切り落とす。
それから両腕。「もうあんたは芋虫よ。みっともない芋虫!」
そして最後に首。狂ったように、甲高く笑う少女。
そこへチャイムの音。お母さんが帰ってきたのだ。玄関に出迎える少女。
扉の向こうには、母親が立っていた。片腕に、可愛い赤ちゃんを抱いて。
「だだいま」母親は笑っていた。もう片手に、ぎらぎら光る包丁を持って。

この母にしてこの娘ありだったのか!と思い知るラストシーンコワ。
少女の人形に対する、執拗にねちっこく残虐な解体見た後だと、
この先想像するのも恐ろしくて……少女が美形なだけに後味悪かった。


723 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/03(月) 21:20:29
高橋葉介のって、ナチュラルにイっちゃってるのが多いな。

724 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/03(月) 21:31:57
>>722
それイイ!
そういうの、普通、大人がガキに復讐されるパターンじゃないっすか?
大人をナめるな、ちゅーの、って感じで何かすかっとしたw

725 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/03(月) 21:41:04
>>722
後味どうこう以前にメチャクチャ怖いよー。

728 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/03(月) 23:12:29
高橋葉介って気持ち悪い話や怖い話を何十年も作り続けてるけど
作品がどれも「職人の仕事」て感じなんだよね。
後味の悪さの質がすっきりしてるというか。

 

腹話術 (ソノラマコミック文庫)
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