バンディラの山(郡まきお)

38 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/22(火) 17:55:14
バンディラの山

主人公のアムサが住む地方には、「バンディラ様」と呼ばれる神を祀った山がある。
天災で家族を失ったアムサは、他の人々のようにその悲しみを
「これもバンディラ様の御心」と受け入れる事が出来ず、
家族を奪ったバンディラに復讐するために山を目指して旅に出る。

しかし旅の途中アムサは行き倒れ、カジュという少女に助けられる。
怪我の手当てや食事の世話を献身的に行うカジュに、
アムサは徐々に惹かれていくが、カジュはバンディラに仕える巫女だった。
そのカジュも、アムサの旅の目的を知りながら彼にほのかな気持ちを抱いているようで、
バンディラを巡って分かり合えないもどかしさを感じている。

アムサの怪我が癒えた頃、カジュの村ではバンディラに巫女をいけにえとして捧げる儀式の準備が進んでいた。
その儀式でカジュがいけにえとなる予定だと知り、アムサはやめるよう説得するが、
「バンディラ様の元で幸せになるの」と儚い笑顔を見せるカジュ。

ついに儀式の当日、アムサの目の前でカジュはいけにえとして首を切り落とされる。
最後までバンディラのために死ねる喜びを感じたままで。
家族だけでなくカジュまでをも奪われたアムサは、復讐の怒りにまかせてバンディラの山を登りはじめる。
険しい山の頂上にようやくたどり着いたアムサ。
しかし、そこにいたのは神ではなく、無造作に積み上げられた数個の小石だった。
「こんなもののために君は死んだのか・・・」とカジュを思い、そのままアムサは力尽きる。

それからしばらく経ち、ふもとの村では人々が噂をしている。
「バンディラ様に会いに行った少年は戻ってこないなぁ。」
「当たり前だ、バンディラ様と戦ってかなうはずないんだから・・・。」

アムサが頂上で力尽きたせいで、バンディラの正体を知らない人々の畏怖がさらに強まってるのが('A`)だった。
この作者はもう漫画描いてないのかな?
うっすら悲しいハッピーエンドを描くのが上手かったような気がするんだけど・・・。

 

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