時じくの香の木の実(山岸凉子)
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104 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/24(木) 00:25:30
- なんて漫画だったか忘れたが
巫女が預言をする事によって栄えていた一族があった。
その次の後継者を決めるための儀式に二人の姉妹が、現・巫女の老婆のもとに集まった。
本来は長子一人が巫女になるための儀式を受けるのだが、
姉妹は腹違いで、妾腹だが長子である日影と、年は下だが正妻の子である日向は
同等の権利を持つとして呼ばれたのだった(名前うろおぼえ)
日影は妾の子であるために不遇な扱いを受けていた。また、容姿も非常に地味だった。
一方日向は年相応(小学校低学年くらい?)のわがままさに
正妻の子としての高飛車さも加わり、
自分よりも地位が低く、美しくない日影を見下していた。老婆から木の実のようなものを渡される姉妹。
それを食べ、そして選ばれたなら永遠に歳を取らぬ者になるという。
二人は同時に木の実を口にした。日向は意識が遠くなっていくのを感じた。
目覚めると、そばには高熱を出し顔を腫らし、看病されている日影の姿があった。
日影は選ばれず、自分は選ばれたのだと日向は勝利を確信した。それから日向のもとに様々な人が来た。
彼らは日向の部屋に神酒やら丸ごとの鮭やらを置いていく。
だがもちろんそんな物を置かれたって8歳児にはつまらない。
唯一の楽しみは兄だった。兄は日向好みの美しい反物や人形を持ってきてくれる。
日向は兄に淡い恋心のようなものを抱いている。
贈り物の中には大人の仕事に関する事の書かれた文書が時たまあった。
さっぱりわからないと思いつつも読んでみても、何故か明確に「答」が浮かぶ。
預言を伝えようと屋敷の中を歩いて人を探していた日向は、
てっきり病でくたばったと思っていた日影と再会する。
妾の子供がなんで屋敷にまだいるんだと憤る日向に日影はおどおどとした態度を取り更にいらつかせる。
とりあえず人が見当たらないので日影に預言を伝えておくことにした。
同じ事が続き、日向の預言によって一族は益々繁栄していく。
数年が経つ。それを実感したのは日影の成長を見ての事だった。
だが日向は変わらない。巫女になると歳を取らないと老婆が言っていた事を思い出す。
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105 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/24(木) 00:27:27
- 日影はひょろひょろと背ばかり高くなり、なんだかバランスがとりにくそうに見え、日向はその無様さを笑う。
更に歳が長じ、日向は禍禍しい血のにおいを感じると共に体にしびれを感じた。
その血の匂いは日影からした。それからもたびたび血のにおいを感じるようになり、
そのたびに日向は体がぴりぴりとしびれて身動きしづらくなった。
その匂いがするようになってから、日影の体はまた急激に変化していった。
胸や尻に重そうに肉がついていったのだ。醜いと日向は思い、
兄のくれた市松人形のようなままの自分と比べて嘲り笑った。部屋を出ると何故か廊下が崩落していた。体の痺れもいつもの比ではない。
はいずりまわるようにして日影の部屋へ行くと、日影は自慰にふけっていた。
きんもーっ☆と思いながら日向は部屋へと戻る。
日影が自慰をするたびに同じような現象が起こった。
日影は冷たい水で禊をするようになった。そうでもしなければ己の情欲を晴らせないのだと、日向は軽蔑した。
いつものように異常な現象が起こり、また自慰かよ追い出してやると思いながら日向は日影の部屋へ向かう。
そこでは足袋だけをつけ素肌を晒した日影が全裸の兄とまぐわっていた。
兄妹でおぞましいと止めに入ったが日向の体は二人を通りぬける。
日向は気付く。歳を取らぬとは死ぬという意味だったのだと。
日向は死ぬ事で神となり、死を擬似体験した事で日向(=神)の宣託を受けれるようになった日影こそが巫女だった。
考えてみれば先代の巫女自体、歳を取った老婆ではないかと日向は気付く。処女を失い巫女としての資格を失った日影は一族から追放され、
兄との間に生まれた子供だけが取り上げられた。
あの女が外でどう死のうが関係ない。しかしこの敗北感はなんだろうと日向は感じる。
日影の子供は男でもなければ女でもなく、また男女どちらでも有り得ると言える、両性具有の者だった。
性の欲求に負けて姉は滅びた。だがこの子供こそは真のシャーマンに成り得ると日向は思う。
子供がやがて木の実を口にし、選ばれる時が来たならば自分は大いなる地位を与えよう、
そう誓う日向のバックには何故か原子爆弾によるきのこ雲があった
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107 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/24(木) 00:56:45
- >>104
山岸凉子の
時じくの香(かく)の木の実ですね。
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111 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/08/24(木) 02:42:32
- >そう誓う日向のバックには何故か原子爆弾によるきのこ雲があった
すげーおもしろかったのに、最後で吹いたw