火の鳥 望郷編(手塚治虫)
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415名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/04(月) 20:31:50
- 漫画 手塚治虫「火の鳥 望郷編」
ジャンルは近未来SFか?
未来の地球から始まる、主人公女性の一生といったところ。以下長文注意主人公の女性は幼い頃自然豊かな土地で過ごす。
成長し、金をぬすんで恋人と駆け落ちした主人公は
地球から遠く離れた星に恋人とともに移住する。
(星は不動産感覚で個人に売られていて、主人公たち2人だけの移住)
ところが移住した星は地震が多く、砂漠ばかりで人が住むには厳しい環境、
さらに恋人も事故で主人公と男の子を残して死んでしまう。
主人公はこの星から人間を絶やすまいと冷凍冬眠にはいり
息子が成長するのを若いまま待ち、数十年後に目覚め息子と結婚し子供を作る。
子供は長い間代々男の子しか生まれず、
女は主人公のみで次々に自分の子孫と結婚するという状態。
ここで火の鳥(望郷編ではこの星に住んでいて主人公を哀れんでいる超越的存在)が外部から
別の宇宙人の女(人間に化けられる不定形生命体)を招き
主人公の息子たちと結婚させ混血させる。
星の人口はあっという間に増え、主人公は女王としてあがめられる。星の発展に尽くしすべてに満足していた主人公だが、地球への望郷が抑えきれなくなる。
なりふり構わず地球へ戻ろうとするが、途中で大怪我し怪しい宇宙貿易商人の治療を受ける。
治療により若返ったが、副作用で24時間のいのちとなってしまう。
ところが全て投げ出して戻ってきた地球は、過去に外に移住した地球人の帰還を禁止していた。
密入国したため追われる主人公だが、地球にはどこにも美しい自然など残っていない。
星から一緒に連れてきた少年も、密入国者を追う地球人に追い詰められ、話に聞いていた
美しい地球なんかじゃない!ひどいところだ、と叫ぶ
やっとのことでたどりついたかすかに残った自然豊かな地区にたどりついた主人公は、
24時間が経過し、これこそわたしが思い焦がれていたふるさとだと満足し、死んでしまう。
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416 名前:続き 2/2 投稿日:2007/06/04(月) 20:34:10
- 一方主人公が身代わりの女王を立てて
(身代わりは一緒に連れて行った少年の母で、上記の純粋な不定形生命体の宇宙人)
離れた星では宇宙貿易商人が商売しにやってくる。
商人は星の市民を堕落させ、女王に化けている不定形生命体(珍しい種族で高く売れる)を捕まえようとする。
市民の堕落ぶりにあきれた火の鳥は、この星の文明を滅ぼしてしまおうと、
主人公への同情から止めていた地震を開放する。
主人公の子孫たちは地震で全滅。星は主人公が来る前の荒れ果てた無人の世界となる。しばらくして地球までの旅で主人公らを助けてくれた宇宙飛行士が、
主人公の遺体を埋葬するためにだれもいなくなった星にやってくる。
宇宙飛行士が去ると、主人公はかつての恋人と再会し、やっと2人だけの世界だと歓喜する。
(最後のシーンは台詞だけ)散々苦労したけど結局全部なくなったとか、主人公の期待に対する地球側の対応を考えれば
ちょっと後味悪いけど
主人公一人の一代記としてみれば・・・幸せじゃないか?割愛した部分が多いけど、原作全部読んでみると多くの暗喩が入ってる。
他の編(火の鳥は大河オムニバスって感じで各編主人公・時代が違う・ちなみに一部タッチも違うW)も
基本的に最後主人公死亡ENDだから後味悪いといえば悪いけど、
展開に不満はないな。おのおの満足して生き抜きましたってかんじで。