きづきあきらの短編漫画

901 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/09/09(日) 16:18:41
きづきあきらの短編漫画

主人公は先輩が好きだが、先輩には恋人がいる。
先輩は優しく凛々しく素敵な人で、恋人はそれに釣り合うぐらいの美人。
だが主人公は諦めきれない。

いつものように先輩に会いに行こうと放課後の教室に入ろうとしたところ、
主人公は驚くべき光景を目撃する。
そこには土下座している先輩と、そんな先輩を
「顔も見たくない」と罵る恋人がいた。先輩は許しを乞い、恋人の靴に口付けをする。
先輩があんな奴隷のように扱われているなんて――主人公は憤る。

後日、主人公が恋人を問い詰め、先輩にアタックすると宣言すると、
恋人は、先輩へのあの高慢な態度はどこへやら
「やめて あなた可愛いからきっとあの人、あなたの事を好きになっちゃう……」
と弱々しい様子だった。だったら先輩を大切に扱ってと頼むと、恋人は事情を話し始めた。

恋人が女王然と振舞うのは、先輩自身に「虐げてくれ」とそう頼まれたからだという。
主人公は信じられないものの、もしも本当ならそれはおかしい事だから
ちゃんと拒否してまともに交際するべきだと言った。

そこに現れる先輩。「来るのが遅いグズ」「ちゃんと私のカバンを持ってきなさいよ」そう言うべきだと
恋人は思ったがでてきた言葉は「先輩ごめんなさい 私もう無理です」
先輩はひどく慌て、なにが悪かったんですかと問い詰めるが、恋人は何も言えない。
主人公が見てるのもかまわずに取り乱した先輩は、突然倒れて痙攣し出した。
恋人は、先輩にかつて言われた言葉を思い出す。
『頼む君にじゃなきゃ嫌なんだ』 『このままじゃ頭がおかしくなりそうなんだ』

「何を取り乱してるのみっともない!あんたが最近調子に乗ってるからからかっただけよ!恥を知りなさい!」
恋人は背を向けて叫んだ。痙攣していた先輩は立ち直り、昨日見たのと同じような流れになっていった。
先輩を罵りながらも、泣いている恋人の顔が主人公には見えた。
本当に奴隷になっているのは恋人の方だった。
そして、恋人がいるからこそ先輩は「優しくて凛々しい先輩」でいられるのだった。
主人公の中の恋心は消えていたが、新たに二人の幸せを願う思いが生まれたのだった。

恋人がマゾ先輩と別れて真っ当な人と付き合い始める展開になってほしかった