小野拓実の漫画から

473 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/02(土) 17:40:07
小野拓実の漫画から一つ。
小学校4年生の女の子・千尋は父・母・一つ下の弟・誠と4人暮らし。
完全な父親中心の家庭で、決定権は何事も父が握っている。
父は千尋は可愛がったが弟には「男の子だから」と、かなりきつく当たっていた。
しかし千尋と誠は仲が良く何より母がとても優しかったので千尋は幸せだった。
しかし、父と母が突然離婚。母は弟を連れて家を出ていき、連絡が取れなくなってしまう。

474 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/02(土) 18:04:48
母に置いていかれたことにショックを受ける千尋。
それに加えて、父が妊娠中の女性を再婚相手として連れてくる。
父は浮気した挙句、子を作り、母と誠を追い出したのだ・・・。
近所のおばさん連中は話を面白半分に脚色し、
「千尋は父親に似ているから置いていかれた」と千尋を物笑いの種にする。
母には実家も兄弟もおらず、ずっと専業主婦だったので居場所を探そうにも誰に訪ねて良いかわからない。
悶々とした日々を過ごすある日、誠から電話がかかってくる。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「誠、今どこにいるの?」
「隣の市の○○町の××アパート。
 ・・・僕お父さんは好きじゃないから別に良いけど、凄く貧乏になっちゃってミジメだよ」
「貧乏ぐらい良いわよ。私なんてお母さんと引き離された挙句、
 パパがケバい感じの女の人連れてきちゃったんだよ。もうすぐ赤ん坊が産まれるけど
 あの人の子供が弟か妹になるなんて嫌よ」

・・・その時、義母が現れ電話を無理矢理切られる。
帰宅後、話を聞いた父も激怒し、今後母親との連絡は無理矢理断たれた。
実は誠も母から姉と連絡をとることを禁じられていた。
理由を訪ねても「どうせ引き取れないから変な情が残ると困る」としか答えない。
「何でお姉ちゃんを引き取らなかったの?」と問う誠に
母は「パパはあの子びいきだったし、経済的に千尋を養うのは無理」と答えた。
しかし誠は納得出来なかった。何故なら母は夜になると千尋の写真を見て泣いていたのだから・・・。


475 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/02(土) 18:19:40
誠との電話を一方的に切った継母への嫌悪感が募り、千尋は次第に反抗的になっていった。
学校のテストは見せず、継母が作った朝食は食べない。
父にたしなめられると一時的に態度は改善するもの、それも長続きしなかった。
継母は母に比べて客観的に見ても性格は良くなく、家事も手抜きだった。
自分に反抗する、千尋のことを憎み始める継母。
継母は元保母だったが綺麗な子や頭の良い子を贔屓し、可愛げの無い子は無視していた。
園では嫌いな子を無視できるが、家ではそうはいかない・・・。
父の知らぬところで千尋と継母との関係は悪化していった。
ある日、千尋は学校でクラスメイトの男児に絡まれる。
群を抜いて可愛らしい千尋は学校でしょっちゅう男の子に絡まれていた。
しかし、この時のからかいは度を超していた。何と男児は両親の離婚をネタに千尋をからかったのだ。
男児の父親が近所で有名なスピーカーおばさんであることを思い出した千尋。その瞬間に、男児に手が出ていた。
普段は大人しい千尋からの思わぬ反撃に遭い、男児は思わず千尋を突き飛ばす。よろけた千尋は階段を転がり落ちた。

千尋は全身が傷だらけになってしまう。
しかし、千尋はこの傷を利用して継母の虐待を偽装し、母親の元へ行こうと思いつく。
放課後、誠に教えてもらった住所を頼りにアパートに行き着く千尋。


476 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/02(土) 18:29:33
千尋の姿を見た誠は仰天し、母親をパート先のスーパーから呼び戻す。
「どうしたのその傷・・・?」
「新しいお母さんに虐待されてるの」
「何ですって!!」
激怒した母は千尋の手をとり、夫と継母の家に乗り込む。

身に覚えの無い虐待話で責められた継母は動揺し、「千尋ちゃん、何でそんな嘘言うの?」と問いつめる。
横を向いて何もいわない千尋。父も再婚相手より千尋の言い分を信じ、「とんでもない女だ」と継母を非難する。
「とにかく 、今日は千尋を連れて帰りますから!」
母がそう宣言した瞬間、玄関のチャイムがなった。
対応に出た千尋は倒れそうになった。
玄関先には気まずそうな表情をした千尋を突き落とした男児と、その母親が立っていたのだ。
男児の母は千尋の父に頭を下げた。
「すいません、うちの馬鹿息子が千尋ちゃんに大けがをさせたそうで・・・。お詫びのケーキでございます」
父は呆れ果て、母は千尋に失望する。
勝ち誇った継母は、母親に土下座を強要。母は悔し涙を流しながら土下座した。
帰り際に取りすがる千尋に母はこう言い放った。「嘘をつく子、お母さん嫌いよ」
完全に母に見放されたことを知り、絶望する千尋。


480 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/02(土) 18:52:05
母が誠に千尋が嘘を付いていたことを告げると誠はこう切り返した。
「お姉ちゃんは嘘をついてまでも、お母さんの所に帰りたいんだよ?何で引き取ってあげないの?
 お金のことなら我慢するよ。僕おやつ食べない、新聞配達するよ。
 だからお姉ちゃんを引き取ってあげて!』
しかし母にはそうできない理由があった。母は千尋の実母ではなかった。母は夫は子連れ再婚だったのだ。
離婚する時、夫は妻にこう言った。
「お前の旦那が遺した借金も肩代わりしてやって、赤の他人の子を食わせてやったんだ。
 慰謝料も養育費も払う気ないぞ。
それからもう千尋に近づかないでくれ。
 お前がいたら美弥子と、千尋が仲良くなれない。この条件を飲まないんだったら
 千尋にお前が実母ではないことをばらす」
妻は泣く泣く、千尋と接触しないことと、無一文で放り出されることを承諾した。
誠は母を卑怯者だと言って責めたが母は言い返せなかった。

嘘をついた翌日から千尋は、本当に継母にいじめられるようになった。
ご飯を食べさせない、殴る、蹴る、髪の毛をつかまれて引っ張り廻される。お気に入りの玩具や本は捨てられる。
父に訴えても「またか?いい加減にしなさい!」と信用して貰えなかった。
継母は「学校でいじめられてる」と父に嘘をつき
継母の嘘を真に受けた父は「誰にいじめられてるのか言いなさい」と見当外れに千尋を問いつめた。


481 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/02(土) 18:53:12
母に手紙を書いている千尋を継母はスリッパで殴り、嬉々として千尋に告げる。
「こんな手紙いくら書いても無駄よ。あの人はあんたを引き取りゃしないわ。
 だってあんたは、あの人の子じゃないもん。
 あんたは、パパの病死した最初の妻の子なんだから。」
衝撃を受けた千尋は、駅で会社帰りの父親を待つ。改札から出て来た父に千尋はむしゃぶりついた。
「パパ!私がお母さんの本当の子供じゃないって本当!!」
「え?お前、誰からそれを・・・」
父の動揺で、継母の話が事実だと悟った千尋はショックを受け、路上に飛び出す。
運悪くそこにトラックが突っ込んできた。
猛スピードではね飛ばされた千尋は即死した。

葬式で継母に怒りをぶつけ殴り掛かる父親。
騒がしい葬儀場を抜け出した母親は夫の母からこっそり遺骨の一部を受け取る。
あんな酷い夫婦に千尋を預けてしまった自責の念にかられる母親。一生罪の意識が消えることはないだろう。
こうして遺骨の一部を分けてもらえたことだけが、今の唯一の慰めであった・・・.。


482 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/02(土) 19:35:01
産業で

483 名前: :2008/08/02(土) 19:43:06
>>482
チヒロ
カアイソウ
カアイソウ

486 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/02(土) 23:25:15
>473 小野拓実のだったのか…この人のは面白いよな 

488 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/03(日) 00:16:56
>>486
小野拓実のってどれも後味悪いよね。
しかも、微妙~にいい具合に尻切れトンボで終わることが多い。
それが絶妙に後味が悪い。