少年たちのおだやかな日々(多島斗志之)
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125 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/15(金) 20:19:36
- 短編小説「少年達のおだやかな日々」から
中学生の少年”清”には、歳の離れた姉がいる。
姉は外資系の企業に勤めるキャリアウーマンで、毎月のように海外出張がある。
美人で性格もよく、近所の評判も上々。
自慢の姉なのだった。そんな姉が上場企業に勤めるエリートサラリーマン”遠藤”と婚約した。
ハンサムで性格も良さそうに見えるが、清は彼がろくでもない性癖を持っていることを知っている。
なぜなら、遠藤が電車の中で女子高生のスカートを切り裂いているところを目撃してしまったのだ。
スカートを切られた女子高生は大騒ぎ。
その時すでに遠藤はさっさと立ち去った後だったが、清は確かに見ていた。姉との結婚式はすでに1ヵ月後に迫っている。
何とかして結婚してしまう前にこの男の性癖を回りに暴露してやりたいと色々探るが、
奴は全く尻尾を出さない。
一度、正面切って問い糾してやったが軽くかわされてしまった。
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126 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/15(金) 20:20:08
- ある日、1人で留守番をしているところに遠藤がやって来る。
居留守を使うつもりだったが、鍵をかけ忘れたのか家の中に入ってきた。
「清君、いるのかい? 話がしたいんだけど」
そう言って家の中を歩き回る遠藤がなんだか怖くなって、清は姉の部屋の押入れに隠れる。
すると、押入れの奥からゴムひもで何重にも封がされた小さな箱が見つかる。
少し興味が沸いてきて、封印を解いて箱を開けて見ると、何十枚という写真の束が出てきた。
そこには、全裸で男達と絡み合う姉の姿が写っていた。
男はみな外国人で、写真によって写っている相手が違う。
なんということだ! 姉は、海外出張の度に現地で男を漁っていたのだ。
しかし、写真を何枚もめくるうちに更なるショックが襲ってくる。
それは、さっきの男達が切り刻まれて血まみれになって死んでいる写真だった。
写真の隅には見慣れた姉のハイヒールが写っている。
清は震える手で写真を元通りに箱に収めると、姉の部屋から出て行った。ちょうど部屋の前で待ち構えていた遠藤が「あれは誤解だ」などと何やらいい訳めいた言葉を
吐いているがそんなのはもうどうでもいい気分だった。
遠藤の変質者ぶりなんて、姉に比べたら可愛いものだ。
適当に返事をすると、遠藤は納得したのか帰って行った。一ヵ月後、結婚式では清は一度も姉の方を見ようともせず、口を硬く閉じて下を向いている。
最愛の姉を取られて落ち込んでいるんだろう、と両親は思っているのだろうが、その誤解を
解くつもりはなかった・・・
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143 名前:本当にあった怖い名無し :2008/08/16(土) 00:48:40
- 126の話は夫婦揃って切り裂き魔って事?