安達ヶ原の鬼婆
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694 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/04(火) 12:44:1
- 安達ヶ原の鬼女
公家の姫君に仕えていた乳母、岩手は、
重い病にかかった姫を救う手だてを求め、独り旅立った。長い旅路の途中で”妊娠した女の生き胆”が病の特効薬だと聞いた岩手は、
安達ヶ原の岩屋に住みつき、妊婦の旅人が通りかかるを待った。
やがて秋も終わる頃、岩手のもとに、旅の若夫婦が訪れる。
妻は妊娠しており、その晩産気づいて苦しみ始めた。
ここぞとばかり、夫を村へ助けを呼びにやり、そのすきに妊婦の腹を裂き、生き胆をとりだす岩手。
だが、妊婦が持っていたお守り袋に記された名を見、この妊婦が昔里に残してきた自分の娘であっ
たことを知る。
都の母の元で赤ん坊を産みたい、孫の誕生を喜んでもらいたい、そのための道中だったのだ。岩手は自分の罪深さに打ちのめされ、後悔と驚愕のあまり気が触れて鬼となってしまった。
こうして岩手は安達ヶ原の岩屋に棲んで、旅人の肉を食らう鬼となったが、最後は旅の僧に征伐された。