未熟の獣(黒崎緑)
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675 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/16(火) 17:45:22
- 未熟の獣っていうミステリ小説
ものすごくうろ覚えだが面白かった主人公の女性作家は、編集者と結婚している。
仕事は順調で、編集者は作家にゾッコンLOVEで尽くしまくりで、
あらゆる家事をすべてこなしてくれ、
「作家をやめたっていいよ僕が養うよ」とか言っちゃうほど。作家の暮らす街で連続殺人事件が起こる。
被害者は全員美幼女。性的暴行の痕はなく、
誘拐された翌日から数日後ぐらいに、無造作に捨てられた死体が発見される。
作家は好奇心からその事件の謎ときに乗り出す。新たに誘拐されたある女児の視点になる。
女児を誘拐した男は、女児に優しく接した。
はじめは男を怖がっていた女児だったが、次第に男にうちとけていった。
男は大変なロリコンで、心も体も美しい女児をただ愛でたいという。
それなのに、今まで誘拐した女児は皆、顔は可愛らしくても、
男を口汚く罵り抵抗してきたので、怒りにまかせて殺して捨てたという。
大人しいこの女児を理想の存在だと男は思ったが、すぐに絶望することになる。
女児は義父から性的暴行を受けており、既に体が汚れていたのだった。
そのことをよく理解してはいないものの、義父に体をいじられることが嫌だ、
そのことで母に殴られるのも嫌だ、男に優しくしてもらえて嬉しいと女児は語る。
非処女の女児は男の理念から外れた存在ではあったが、それでも同情は抱いた。
男は女児の母を殺害し、女児をその付近の人目につきやすいところに置いて去っていった。誘拐された女児がはじめて生還したものの、女児は何故か頑ななに犯人の情報を漏らさなかった。
母さえ殺されたのに何故か、大人の女性が殺されるのははじめてだからまた別の犯人なのか?
疑惑をふくらませる世間や作家。そこにまたしても事件が起こる。
今回発見された女児の遺体には両腕がなかった。切断されていたのだった。
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676 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/16(火) 17:48:11
- 見目麗しい幼い少女といった事以外にも、被害者には共通点があると勘づいた作家。
その法則から、次のターゲットは近々この街にライブにくる少女アイドルだと気づく。
アイドルは14歳だが、とてもそうは見えない幼い外見をしている。
同じような世代の少女たちに絶大な人気を得ているが、大きいお兄さんからの支持も根強く、
そちらへのアピールにも力が入っている。
作家は少女アイドルに付きそい、現れた犯人を無事に逮捕することに成功した。犯人は別に驚くべき人物とかではなく、ただのキモヲタだった。
美しい女児を愛でたいだけなのに、女児たちが醜すぎるからいけないんだと
事情聴取を受けながらファビョる。
それに、女児を殺害していたのは自分だが、腕を切るなんて真似はしていないという。作家はアイドルに付き添っていた際に、気になるものを目にした。
アイドルの体の、衣装からは隠れる部分に注射針のような痕が大量にあったのだ。
テレビ越しで見る分にはそれほど気にかからなかったが、
実際に間近で見るアイドルの幼さは不気味なほどだった。
幼さを売りにするため、より長くアイドルとしての寿命を延ばすために、
成長を抑制する薬でも打たれているのではと作家は思った。
アイドルの付き人を問い詰めると、相手は明らかに動揺した。
子供になんてことをするのだと責め立てたところに、アイドルがやってきて言った。
「私が望んでそうしているだけだから」幼い外見とは裏腹に、自身を商品とわりきって体を痛めつけるような真似をするアイドルに
それ以上何も言えずに作家は引き下がって帰宅した。
編集者はまだ帰っていなかった。何年かぶりぐらいに冷蔵庫を自分で漁る作家。
冷凍庫を開くと、中には子供のものだと思われる切断された手があった。
作家は思い出す。編集者は作家にプロポーズをするとき、跪いて手の平にキスをした。
なんてキザなんだと思っていたが、それはなによりも作家の「手」を愛していたからではないか、
掃除も洗濯も食器洗いもさせないのは、物書きをやめないかと言ったのも、
全て作家の手を痛めさせないためではないか、編集者は手フェチだったのではと作家は思った。
そのため、たまたま見つけた女児の遺体から腕を切り取り持ち出したのだ。
悩める作家。そこに編集者が帰宅した。
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702 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/17(水) 04:14:14
- >>675
その編集者はきっとモナリザの手を見て勃起するような真性の手フェチに違いない