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916 名前:本当にあった怖い名無し :2009/11/04(水) 23:03:24
小学生の頃に教科書で読んだかそれくらいの古い時期に読んだ話だからタイトルは忘れた

世界のどこかにある貧しい国。その国はとても貧しく、
多くの国民は満足行くまで物を食べることもできない。
地続きで貨物列車なども通っている隣国はそれに比べ豊かな国であるが、
貧しい国の国民が隣国との国境を渡るところが国境警備隊に見付かれば、
捕まえられて殺されてしまうので、国民達は隣国へ行けなかった。
だからほとんどの国民は、貧しい暮らしを続けることしかできなかった。

しかし育ち盛り食べ盛りの子供達はそれが我慢できない。
腹いっぱいになるまで食事がしたい。どんぶりご飯に海老天乗せて一気に掻っ込みたい。
あるとき、三人の男児が貨物列車に忍び込んで隣国に密入国した。
隣国といえどもそう近い場所にあるわけではなく、
貨物列車が停止するまでの数日か数十日か…気の遠くなるような時間、
子供達は飲まず食わずで、ときどき子供の一人が吐き出す水のようなゲロを飲んで飢えと乾きに耐え、
いつ貨物列車の警備員に見付かり国境警備隊に引き渡されるとも分からぬ恐怖に息を潜めていた。

しかしその地獄のような時間も終わり、三人はついに隣国への入国を果たしたのだ。
三人はそこで一人の成人男性と出会い、飲食店で天丼をご馳走になった。
男が言った。「この国はとても豊かだから、飲み食いに金が要らないんだよ。」
さすがに豊かな国だ。こんなに親切な大人が居て、海老天も大きくて海老がぷりぷりしている…!
三人ともがそう思い、とても喜んだ。楽園に来たような気持ちだった。

だが三人は飲食店の店員に通報され、警察で事情聴取を受けることになる。
三人は店員と警察官から、真実を聞かされた。
「あの男は無銭飲食の常習犯で、君達は犯罪行為のだしに使われたんだよ。」

天丼をおごってくれた男はトイレに行くと言い出て行ったまま、二度と現れることはなかった。


917 名前:本当にあった怖い名無し :2009/11/04(水) 23:50:09
>>916
お隣の国の話みたいだね。

918 名前:本当にあった怖い名無し :2009/11/05(木) 00:23:18
>>917
今になって考えるとその国にしか思えないんだけど
そういうこと知らなかった当時はただただ
「絶望した!救いのない世の中に絶望した!」だったんだ

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