ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その112 » たんぽぽクレーター(筒井百々子)

955 名前:『たんぽぽクレーター』筒井百子 :2010/04/08(木) 13:42:44
少女漫画です。ちょっと未来の話で、表題の名称は月面にある病院の名前。
月面のドーム基地が病院になっていて、中は無菌状態を保てる。
入院患者は子供が多い。そして中には、病気は治ったけど身内が引き取りに来ないとか
事情があって帰れない子供もいる。そんな子供は院長がたぶん理由をこじつけたりして
入院中ということにしてたり、身銭切ってたりしているかんじ。

主人公はこの病院に配属になったばかりのぺーぺー医師。まだ少年っていう感じの若い先生。
入院患者(主に子供)と病気のヒューマンドラマ風に話が進むんだけどその中の1エピソード。
火傷で入院していた女の子。その怪我は両親からの虐待だった。
怪我はとっくに完治しているので地球に帰さなければならない。両親は引き取りを要求。
しかし戻したらまた虐待を受けるのはわかりきっているので、病院側も必死で抵抗。
引き渡さない病院に親が裁判を起こし、病院(特に院長)が必死で抗弁するものの
相手側の弁護士がムカつくくらいの誘導尋問で、女の子本人に
「私は親の財布を盗む悪い子です」な内容を言わせる。
実際は何日も食べる物を与えられず、お腹を空かせた弟のために財布からお金を取って
パンを買いにいったんだけど、弁護士が「今はそんな話じゃない。親の財布からお金を
盗むことはいいことですか?」「…悪いことです…」みたいな。


956 名前:『たんぽぽクレーター』筒井百子 2 :2010/04/08(木) 13:45:51
結局女の子は親元に強制的に帰ることになってしまう。
女の子はすごくしっかりした感じで「でも私が戻らないと弟や妹が同じ目に遭うから。
私は大丈夫。手紙書くね」と言って元気に手を振って別れる。
それから数日後に、病院に彼女の訃報が入る。
帰されたその日に往来の真ん中で、両親に殴られ続けて助からなかった。
でも今回は目撃者もたくさんいたので、今度こそ両親は逮捕されるはずだ、と。
「こうなるのはわかってたのに!」「守りきれなかった」と葬式のようになる病院スタッフ。
こんなふうに病気の子供とのほのぼの医療ドラマの合間に、結構シビアな話も入る。

終盤で地球が大寒波に襲われて半分くらいの人間が凍死、経済メチャクチャ状態に。
月面も荒れに荒れて、病院も暴徒の襲撃を受けたり物資やエネルギー供給を絶たれて
どんどん機能を縮小していく。
主人公は電気系も得意だったので、遺棄された何かの部品で風車のような太陽光発電機を作ろうとする。
それが完成したら病院に充分な電気を供給できるはずだった。
誰にも内緒で一人で作っていたら、その部品というのが実は高濃度の放射能に侵されていて
主人公は放射線障害の白血病になって倒れる。
病院はもう無理、維持できないと閉鎖に。入院患者が全員地球に帰った翌日に主人公は死亡。

一応ラストはほのぼので終わるけど、とにかくいい人が報われなすぎ。

 

たんぽぽクレーター 1 (プチフラワーコミックス)
たんぽぽクレーター 1
(プチフラワーコミックス)
たんぽぽクレーター 2 (プチフラワーコミックス)
たんぽぽクレーター 2
(プチフラワーコミックス)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...