ひみつのルミちゃん（宮脇明子）

大学生の主人公は、転校で去ったかつての母校へ教育実習で戻って来た。
その小学校には、在校当時ほのかな憧れのお兄さん的若い先生だった教師もいた。

主人公は受け持ちのクラスで、昔の同級生Aちゃんに雰囲気が似たBちゃんを見つけ、ふと思い出す。
Aちゃんは、ぼやっとおっとりした（やや知恵遅れ気味?）幼げな少女だった。
当時女の子の間で流行っていた「ルミちゃん人形」にちょっと面差しが似た、可愛い子だった。
Aちゃんは×イチ母とヒモ男の家庭で放置ぎみに育てられ、若教師は気に掛けて何かと世話を焼いていた。
小学校高学年の主人公は、“若い娘”の華やかさはまだ無く、“愛らしい子供”の時期も過ぎた
中途半端な年代で、かえってAちゃんの幼さを羨ましく思い微かに嫉妬していた。

ちょうど教育実習で滞在していた時期、隣の学区でCちゃんという子が変質者に殺される事件が起こった。
「Aちゃんの事件を思い出すわね」と地元の同級生に言われ、何のことかと問い返す主人公。
実はAちゃんは、主人公が転校する時期と前後して、コンクリートの浅い川へ転落死していた。
衣服に精液の付着した痕跡があり、変質者の仕業だと見られたが、迷宮入りしたままだった。

Cちゃんの事件後、しばらくしてBちゃんも所在不明になる（なお、BちゃんもAちゃんと似たような放置家庭）。
その頃、実習生仲間だったキモオタ風の男がクラス児童へのわいせつ未遂の疑惑で辞めさせられており、
Bちゃん行方不明の件でも彼に嫌疑がかかっていた。

「先生がAちゃんを殺していないのは本当だったんだ…！ Bちゃんも生きて見つかったし…、
でも待って、もし先生の言葉が本当だとするなら、Cちゃんの死が説明つかない…」
すっきりしない部分を残したまま、数年が経つ。

主人公は結局教員にはならずに、今は結婚して幼い娘が一人いる。
夕方、近所から遊んで帰る娘に、スーツ姿のキモオタ風の男が声を掛ける。
「やぁ、おじさんはママの知り合いなんだよ。おじさんちに最新のゲーム機があるんだけど遊びに来ないかい？」
………。

（ちなみに、絵柄的にもAちゃん・Bちゃんは同系統の顔立ちで、同一の好みによるターゲットだったのが窺えるが、
Cちゃんは二人とはやや違って、むしろ猥褻未遂の女児や主人公の娘に近い系統の顔立ち。）

Aちゃん転落の部分は、はっきりとは覚えてないけど
突き落としたって程ではなく、間接的には主人公が原因ではあるが

主人公詰め寄る→Aちゃん後退→バランス崩す→助けようと主人公が手を伸ばすが間に合わない

みたいな感じだった希ガス。

ちなみにその教師は確か、主人公の在校中から実習生で戻ってくるまでの間
途中で何年か別の学区へ転任していたりもしたけど、
そこでも同じように子供への関心が薄い家庭の子やおとなしくて助けを求めない子に
性的いたずらをしたという噂が立ち、地元の有力者の親族がもみ消して
またコネのある古巣の学校におさまった経緯があった。