小さな濡れた部屋(戸梶圭太)

786 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/07(日) 14:55:20
連鎖的にだけど思い出した短編。うろ覚え
なんかダルイからできるだけ簡素に書こうとしたけど、2レスで終わるハズが3レス行ってしまった

主人公は金持ちの既婚中年男性Aと不倫関係にあり、Aから与えられたマンションの一室で暮らしていた
主人公はAに囲われながらも若いイケメンの男Bと浮気しており、その日もBを部屋に呼んでセクースしていた
主人公は髪を長く伸ばしており、AもBも主人公のその髪を美しいを褒め称えていた
セクースが終わり、主人公はBをベットルームに残してバスルームでシャワーを浴びる
すると、誰かが玄関の鍵を開けてチェーンを切断し、部屋の中に入り込んで来た
入ってきたのはAで、前々から主人公の浮気を疑っていたAは浮気現場を押さえようとしていた
裸であった主人公はバスルームから出ることができず、ただAとBが言い争うのを聞いていた
すると、硬い物で柔らかい物を殴打するような音がこえてくるようになり、同時にBの悲鳴も聞こえてきた
やがてBの声も聞こえなくなると、Aがバスルームの方へと走って来た
主人公は咄嗟にバスルームの扉を閉めて鍵をかけた
Aは「出て来い、お前も殺してやる」と叫び、何度も扉を叩いた
主人公は泣いた
主人公は「Aは本当は怖い人なんだ」という噂をよく耳にしていたが、
主人公にはいつも優しくしてくれるのであまり気にしてはいなかった
怒り狂ったAは変貌しており、主人公はAが一度怒ると別人のようになってしまうタイプの人間なのだと悟った
バスルームに窓は無く、その時間帯は近所の人も出払っており、Aはそのことも計算して乗り込んできていた
その後も主人公とAの攻防戦は続いた
Aは一定の感覚でドアを叩き続け、主人公を精神的に追い詰めようとする。
Aはバスルームの照明をつけたり消したりを繰り返したりもした
裸で体温が下がった主人公はお湯で温まろうとするが、Aがガスを止めたため、水を浴びてしまう
裸の主人公は、真っ暗なバスルームの中で恐怖と寒さに震えた
つづく


787 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/07(日) 14:58:31
つづき
主人公は、浮気した自分がパトロンに殺されて、親が悲しむ姿を想像した
やがて、バスルームの外からAが昼ドラを観ている音が聞こえてきた
(長いから省くけど、この時Aは警察に話すシナリオを作って紙に書いていた)
やがて主人公はAに立ち向かう決意をし、暗いバスルームの中を手探りで武器を探した
バスルームには洗面台とトイレがあり、歯ブラシや安全カミソリやトイレットペーパーくらいしか見付からなかった
主人公はトイレットペーパーで体の水滴を拭い、体中に包帯のように巻きつけることで暖をとった。
精神的にも、裸よりは安心できた
トイレのタンクの蓋が武器にならないかと思ったが、重くて扱えなかった
安全カミソリはプラスチック製で脆かった。歯ブラシをカミソリで尖らせようとしたが、カミソリは折れてしまう
暫くして、主人公は扉越しにAともう一度話をした
お互いに提案を出し合い、最終的に主人公が警察に嘘の証言をしてAを庇う代わりに、Aは主人公を殺さないと約束した
主人公はAが自分を殺さないのなら、と扉の鍵を開けた
その瞬間、主人公の予想通りの事が起きた
Aはノブを捻ると勢いよく扉に体当たりしてきた
しかし、扉が完全に開ききることはなく、Aは変な体勢で扉と壁に頭を挟まれて動けなくなってしまう
バスルーム側のノブと洗面台は、主人公の切り落された髪の毛によって結びつけられていた
実は、Aが昼ドラを観ている間に、主人公は三つ網にした自分の髪を
折れたカミソリでノコギリのように切断して縄を作っていた
Aは咄嗟に頭を引き抜こうとするが、主人公はAの頭を掴んでドアを押さえてAの動きを封じた
つづく

788 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/07(日) 15:00:38
つづき
ドアの隙間から、出刃包丁を握ったAの手が大蛇のように襲い掛かってきた
主人公の足は切り裂かれ、Aは包丁を主人公の足に突き立ててぐりぐりと抉った
主人公は最後の力を振り絞り、Aの目に歯ブラシを突き立てた
歯ブラシを奥へ奥へとねじ込んで捻ると、Aはビクビクッと痙攣し、失禁脱糞して死んだ
開放された主人公は、携帯電話で警察を呼ぼうとダイニングルームへと向かった
(この時シナリオの紙を見付け、主人公は寒気を感じる)
主人公が携帯電話を手にした直後、玄関の扉が開かれた
そこには中年の女が果物ナイフを持って立っていた
中年女はAの死体を見ると、主人公に「お前が殺したのか?」と聞いた
その瞬間主人公は閃いた。この中年女はAの妻であり、妻は夫の浮気を疑ってここへやって来たのだ
果物ナイフを持っているということは、妻の精神状態がまともではないことを示していた
妻は悪鬼の様な形相になり、奇声を上げながら主人公に襲い掛かってきた
武器も何も無い主人公は咄嗟に携帯電話を妻に投げつけてしまい、すぐに後悔した
玄関から外へ逃げようと試みたが、Aに切り裂かれた足が痛んで動けなかった
主人公は咄嗟にバスルームに逃げ込んで鍵をかけた
妻が「殺してやる」と言いながら扉を何度も叩いていた
主人公は泣いた

789 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/07(日) 15:07:56
主人公にとっちゃ悪夢以上の悪夢だな・・・。
でもまぁ、不倫・浮気は止めましょうねってことだなw

Aが書いたシナリオkwsk


815 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/08(月) 12:55:00
今更だけど>>786-788は戸梶圭太の「小さな濡れた部屋」かな。

824 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/08(月) 17:24:22
>>789
シナリオ自体はたいした内容じゃない。ただBがストーカーで主人公を殺して、
Aはそこに鉢合わせたとか何とか、通報が遅れた理由とか、そんなAに都合がいいだけのつじつまあわせの内容
主人公が寒気を感じたのは、主人公が風呂場で怯えながら髪を切ってる間、
あれほど怒り狂っていたAは昼ドラ観ながら冷静にその後のシナリオを考えて
わざわざ紙に書いてたって事にゾッとしたって話
表現しにくくてゴメン

 

トカジャンゴ (角川文庫)
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