俺たちのやった事は間違っていない・・

105 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 13:56:41.11
子供の時に見た、古い刑事もののドラマのエピソードが後味悪くて自分の中ではトラウマ。

事件は渓谷をツアー中のバスが、落石の直撃で谷底に落ちて
乗務員、ツアー客全員が死亡・・という悲惨な事故から始まる。

傷心の遺族が集まっている、旅行会社の事故説明会で
(旅行会社の責任者が「落石の危険を見落とした」責任として
被害者遺族に、高額の補償金を出す意向であることを認めていた)

その時、事故車両に残っていたラジカセのテープが会場で再生され
事故直前の乗客達の和やかな歌声や笑い声が会場に響き

「あーー!息子の声が」 「夫の声だわ」 「両親の笑い声が」・・・と

遺族たちの悲痛な声と、遺族の中の3歳くらいの幼女が無心に
テープの歌声に合わせて踊る、いじらしい姿があった。

ところがテープは「あれぇ?あんなところに人が・・わぁぁぁー!!」
という悲鳴と、「ガガッガガガ!!」という岩の直撃の雑音で終わっていて
会場でたまたまテープを聞いた主人公の刑事が事故に疑問を持つ。

「あんなところ」とは渓谷の頂上に居るはずのない人がいて
もしその人が落石を引き起こす起因を作ったとしたらこれは大量殺人では?と
疑った主人公達の捜査で、やがて現場から落石の作為的痕跡を発見したが
何故か遺族の代表達から「捜査を止めてくれ」と懇願される。


106 名前:105 :2011/03/23(水) 13:57:48.15
それでも、事実は見逃せなく「遺族たちも真犯人が判れば、きっと納得してくれるよ」と
捜査を続行、やがて真犯人が割れる。

真犯人は、会社経営者であった被害者の一人の馬鹿息子で
放蕩が過ぎて父親から経営から排斥されそうになり、事故に見せかけて
父親を殺そうと、落石を細工していて、いわば他のツアー客は
巻き添えで殺されたようなもの。

犯人を逮捕して、これで一件落着と喜んでいると、遺族が心中したとの一報が入る、
亡くなったのは母子家庭となった、説明会で無心に踊っていた幼女とその母親で
「殺人」となった事で、旅行会社から補償金の支払いを拒否されていた。
夫に死なれ、金銭的な補償の糧も失い、頼るべき身寄りもない母親の思いつめての心中だった。

焼香に訪れた刑事達は、喪主として葬儀を行っていた遺族代表から
「事故で亡くなったのは働き盛りの男性がばかりで、遺族の殆どは旅行会社の
補償金だけが頼りだったのに、あんた達が余計な事をしたばかりに・・・
犯人が捕まっても、生活の基盤を失った人たちの生活はどうなるんだ?!
あんた達がこの母子を殺したんだ!!あんたらこそ人殺しだ!」と追い返される。


107 名前:105 :2011/03/23(水) 13:58:25.22
刑事達の「それでも俺たちのやった事は間違っていない・・」とうなだれながら
葬儀場を後にするシーンで終わり。

時代もあったと思うけど、確かに零細企業の馬鹿息子が犯人として
捕まっても、殺した人々に対しての賠償金を支払う能力はないし
遺族にとっては「事故」として、旅行会社から補償金を受け取った方が
経済的に助かり、気持ち的にも諦めがつく
(単なる殺され損だったいう事実を知らされるより)

けど、もし刑事が動かなければこの馬鹿息子が大量殺人で得た
補償金+父親の会社を手に入れてウハウハ・・だし
実質的な責任のない旅行会社や保険会社が大損害を受けるのも気の毒

だけど・・と子供心にもモヤモヤしたのを覚えているよ。


108 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 17:29:16.45
乙。これはいいモヤモヤ話だ
馬鹿息子以外、誰の言い分も間違ってないんだよな…

109 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 17:59:45.85
まあ間違ってはないけど、あえて言うなら
刑事達は補償金が出ないと困る人がいるってことを念頭に置いた上で捜査してほしかったね。
他人への影響を考えずに行動してしまうってのはありがちか・・・・・

110 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 18:08:03.33
>>109
ええええええ!?
>補償金が出ないと困る人がいるってことを念頭に置いた上で捜査
そこまで考えて捜査してたら事件解決なんてできないだろ・・・・・。
そんなの遺族のわがままでしかないと思うんだが。

111 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 18:18:41.04
うむ、
この場合は不幸な被害者がさらに不幸になる、
ということを知っていた上で
主人公が正義を全うすることで
いい感じの後味の悪さになるんだ。

112 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 18:31:49.59
補償金出なくても、幼児がいれば遺族年金もでるし生活保護という手もある。
死ななきゃならないようなことかね?
つか、生命保険とか全然入ってなかったんだろうか?

113 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 19:32:27.46
>>112
古い時代らしいからな
保障・保護だけで子供を育てるのは大変だろうし女性が働ける場所もほとんど無かっただろう
=詰みと考えるのも可笑しくはない。保険はまあフィクションということで

114 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 20:32:59.27
外されかけていたとはいえ一応従業員だった犯人が故意に
やらかした事で起こった事故なのに保障無し扱いとは・・・
事故じゃなくて殺人だったからやっぱり賠償金無しね
と判断した旅行会社にも後味悪い

115 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/23(水) 21:54:15.95
旅行会社は仕方ないだろ…
今の時代なら民事で馬鹿息子およびその会社から取れるかな?
残された母(妻)が悲惨だよな
世間からは人殺しの母として冷たく当たられるだろうし
賠償金も支払えず自殺に追い込まれそう

117 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/24(木) 01:17:49.27
悪いけど「遺族卑しいな…」が第一印象だ
でも遺族の立場で考えると金銭抜きに個人の逆恨みに巻き込まれて死んだというより
事故で亡くなった方が心情的にマシかもしれないな

119 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/24(木) 02:31:40.45
>>117
稼ぐ人間が死んだら扶養されてる人間も一緒に死ねって事か。心情云々しか
考えられないってところがお前がどんだけ恵まれた環境にいるかって事だよな。
社会人なら、正直頭おかしいレベルだけど子供だろうからしょうがないと思っておこう。

120 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/24(木) 05:01:32.71
実際殺した犯人じゃなくて刑事を恨むんだな
変なの

121 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/24(木) 07:54:05.04
>>120
犯人は当然憎いだろ。でも、それとは別に補償金という当座の生活資金の
当てを結果的に奪った刑事にも憤りを感じてしまったんだろ。

122 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/24(木) 11:34:56.75
どちらに転んでもどこかに闇が残る、良い後味の悪い話だな