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282 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/07(火) 17:48:57.21
昔の中国の話

劉邦という皇帝がいた。多くの女性を側室として後宮に入れていた。
側室が大勢すぎて一度も皇帝に会えたことすらない女性がいた。
その女性の友達二人ですら、既に皇帝の寵愛を受けていた。
そんな二人は、残されたその影の薄い友達の事を心配し、
「あの子大丈夫かしら」「あの子、影薄いから…」といった感じの会話を交わしていた。
そうしたら当の皇帝・劉邦がその会話を耳にし、逆にそんなに影の薄い女とはどんなのだろうと興味を持って、
ようやくその影の薄い女は皇帝の寝所に召されることになった。

ちなみのこの女性の名を薄氏という。マジで。史書に載っているまぎれも無い史実。
しかし結局薄氏に一度会って興味が失せた劉邦は、その後二度と彼女を召し出すことはしなかった。
だがその一回が大当たりし、彼女は皇帝の息子の一人を産んだ。
皇帝の息子だから皇子様だ。もっとも大勢いる皇子の一人にすぎなくて、
次の皇帝になったのは正妻である呂后の息子であり、
薄氏の産んだ息子は遠い北方に領地をもらい、そこに赴任することになった。
母親である彼女もその遠い北国についていった。


283 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/07(火) 17:51:09.38
だがそれが許されたのは彼女くらいなもので、他の劉邦の側室は皆、
次期皇帝の母親としてようやく権力を振るえるようになった呂后により、全員殺されるか投獄されてしまった。
彼女のことを心配してくれていた友達の側室二人も殺された。
呂后にしてみれば、全員が夫を奪った憎い女達達になるわけなので。
薄氏のみ何しろ劉邦には一回しか会ってないわけなので、さしもの呂后も嫉妬すら抱けなかった。
その後呂后はやりすぎて周囲の恨みを買い、
しかも息子に早死にされていたので、息子とも劉邦とも関係のない人間を皇帝の位につけていた。
劉邦の血筋でない人間を皇帝にとはさすがにやりすぎである。それでも彼女が怖くてずっとみんな我慢してきたが、
彼女が老齢になってようやく死ぬと周囲は動き始めた。
呂后の身内を宮廷から追い出し、劉邦とは何の血縁もない皇帝を廃し、
各地に散っている劉邦の息子の中から新しい皇帝を決めようという話になった。
そんな時に思いだすのは呂后の事である。息子が皇帝なのをいいことにやりたい放題する母親はもうたくさんだ。
そんな母親が付いていない皇子を選ぼうと言うことになって、指名されたのが薄氏の息子だった。母親の影が薄いから。

影が薄くて結果的に良かったんだろうけど、友達には死なれるわ、男性には特に愛されないわ、
それで息子が皇帝になれた理由として「あんたの影が薄いから良し!」と
他人から満場一致で言われるのもなんか複雑じゃないだろうかと思えた歴史の一コマ。


309 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/08(水) 15:35:09.10
>>282-283
薄氏の息子で皇帝になったのは文帝で大変な母親孝行で有名
薄氏のために自ら毒味するくらい
なおかつ質素倹約を旨にして漢帝国の財政を立て直した名君だから全然後味悪くない
地味ながらも真面目に生きた人が報われたというむしろ後味がものごっつイイ話

318 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/09(木) 00:01:48.42
>>309
薄氏は、息子即位で皇太后に。
息子(文帝)崩御、孫即位につき太皇太后に。
影が薄い、なだけで最終的に、誰よりも高い地位に登りつめた。

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