ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その122 » 花偸み(藤田あつ子)

711 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/02(土) 14:53:21.54
各国の民話や説話、歴史エピソードを独自にアレンジした短編を集めたコミック雑誌
「いちばん残酷なグリム童話」というのがある。
一昔前に「本当は怖いグリム童話」というのが流行ったころに出てきた雑誌。
その作家陣の一人、藤田あつ子 コミック短編集「紅艶」から「花偸み」

元ネタは中国の民話「蛇の婿殿」という話から。
三人姉妹を持つ父親が、蛇の化け物の機嫌を損ねて娘の一人を嫁にする約束をし、
姉二人は嫌がるが末娘が蛇のもとに嫁入りし、蛇は化け物ながらもお金持ちで、妹は裕福に暮らす。
それを後で知って妬んだ姉が妹を井戸に突き落として殺害するものの、
殺された妹の霊が小鳥や樹木や火の粉に姿を変えて姉に復讐する話。

これをアレンジしたコミック版では、三人姉妹を持つ父親が、山の中で迷い込んだ邸宅で
娘への土産に花を盗み、その邸宅の人間に見つかって咎められてしまう。
実はその邸宅は山賊の住処であり、近隣から強奪した財で贅沢な暮しをしていたのだ。
山賊の手下達に捕まった父親は命乞いをし、父親の話から娘がいることを知った山賊の親分は、
自分の息子の嫁にちょうどいいと、三人のうちだれか一人を差し出すように言いつけて父親を解放した。
山賊に目を付けられた以上、約束を破るわけにはいかない。姉二人は山賊の嫁なんてと震えあがるが、
末の妹は父親のためならばと承知する。
数日後、山賊の使いから届けられた立派な衣装を身に纏い、大勢の山賊の手下達にかしずかれて、
末娘は山賊の息子とは思えぬほど眉目秀麗な若者のもとに嫁いでいった。


713 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/02(土) 14:55:32.24
しばらく後、姉の一人が普通の農民のもとに嫁に行った。
だが山賊の豪華な嫁取り支度を見た後では、堅気が一番とはいえその嫁取り支度はどうしても見劣りする。
残った姉のもう片方は末娘の事を思い出さずにはいられず、今まで一度も近づこうとしなかった
山の中の山賊の邸宅に足を運んだ。
山賊の息子の嫁になった末娘は、姉の突然の来訪に喜び、歓待してくれた。
豪華な衣装、きらびやかな装身具、たくさんのごちそうと、末娘の贅沢な暮らしぶりを見て、
姉はかつて山賊の嫁になるのを嫌がったのも忘れて、末娘が羨ましくなった。
そして姉は言葉巧みに妹の綺麗な衣装を借り受けると、二人で庭園を散策し、
そして隙を見て末娘を井戸に突き落としてしまった。
そこに突如として国軍の山賊討伐隊が乱入してきた。軍人達は姉の豪華な衣装を見て、
下働きではなく山賊の妻だと判断し、討伐の対象と見なして殺害した。
討伐隊により山賊の一味は残らず殺害され全滅した。

一方、井戸に突き落とされた末娘の方は幸いにも無事で、しかも井戸の横穴から人知れず脱出することができ、
国軍の討伐隊に知られることなく無事に逃げのびることができた。
たまたま遠くの親類のところに行っていた山賊の息子も無事で、末娘は迎えにきた彼と共にその親類を頼っていき、
堅気の生活に入って残りの人生を穏やかに暮らしたと言う。

…末娘の身代わりになって死んだ姉カワイソス

元ネタの「蛇の化け物」を「山賊」に変えただけで後味ワルー。
だって蛇の化け物が金持ちだったとしても、そのお金は妖術か何かで手に入れたのだろうくらいにしか思わないけど、
山賊だと近隣住民からの強奪なわけだし、そういう被害の上に成り立つ
豪華な暮らしをずっと享受してきた末娘に何の報いも無くて、
最後には堅気になって穏やかに暮らしましたってそりゃないわと思った。


714 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/02(土) 15:09:32.46
藤はヘビ

巻き付くつる植物


715 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/02(土) 15:17:26.24
>>713
姉は殺人未遂だしカワイソスとは思わんけど、妹がちゃっかり堅気になってんのは後味悪い

717 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/02(土) 16:06:00.62
妹がぜいたくな暮らしできたのは結果論であって差し出された時は明らかに人身御供だろ
実際に手を下していた山賊は死刑になっているし手を汚していなかった妹が
幸せになって叩かれる筋合いはなかろう

 

紅艶中国妖女絵巻 (まんがグリム童話)
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