ホーム » 小説 » 小説/タイトル不明 » 体のよいリストラ

677 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/29(金) 08:44:21.75
それで思い出した話。
子供の頃に読んだ経済小説(背伸びしてた)なのでウロです。

678 名前:1/2 :2011/07/29(金) 08:45:14.72
図書館司書として勤めている女性。
毎日通ってくる初老の男性ビジネスマンが気になる。
いつも隙のないスーツ姿で礼儀正しい態度。
毎日図書館に置いてある新聞を閲覧し、何やら書き物をしている。
しかし、時折、他の利用者が「その新聞を見せてくれ、独り占めしないでくれ」と申し出ても
紳士的な態度を豹変させて拒み、トラブルになることもあるのだ。
いったい何をしているのだろう?と見てみると、どうも記事を紙に書き写しているらしい。

ある日、いつもの時間より遅れてビジネスマンがやってきた。間に合わない、ととてもうろたえている。
図書館司書は気をきかせて、「コピーをとりましょうか?」と申し出た。
男は「それでもいいかどうか会社に聞いてみないと」といいながら、
受け取ったコピーを穴が開くほど見つめた。
翌日、男があらわれて「コピーでもよいと許可された。助かりました」と司書に礼を述べた。
「いつでも(コピーを)おとりしますからね」と笑顔で答えた。
司書としても、コピーひとつで他の閲覧者とのトラブルが避けられるのなら
そのほうがよいと思ったのだ。


679 名前:2/2 :2011/07/29(金) 08:45:45.65
しかし、男はもう図書館には来なくなった。
男は、かつては有能なやり手ビジネスマンだったのだが、(おそらく権力闘争に敗れて)
会社命令で「図書館で新聞記事を書き写し、会社に提出する」という業務を与えられていた。
(注:コピー機が普及していない頃の話です)
一日がかりで精魂こめて一字一句記事を写す業務が、
数秒でできるコピーでかまわないこと、つまり体のよいリストラだったということに
男は気付いてしまったのだ。

682 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/29(金) 09:10:48.42
有能なやり手ビジネスマンだったら
左遷されてその業務に就かされた時に体のよいリストラだと気づこうよww
と、無常にも思ってしまった

686 名前:2/2 :2011/07/29(金) 10:31:09.59
>>682
うすうす気付いていても、一生懸命「俺にしかできない重大任務!のはず」と
言い聞かせていたんだと思う。そんなところも切なく後味悪かったな。

後味悪い
(後味悪ければクリック)
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