ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その123 » ノスタル爺(藤子・F・不二雄)

930 名前:1/4 :2011/08/05(金) 01:57:09.81
ひぐらしで思い出した
かなり前にオカ板か喪板のどっかに投下したけどここにも投下するわ

藤子・F・不二雄『ノスタル爺』

主人公は、戦地だった孤島に戦後30年間も取り残されていた日本兵
ようやく発見され無事日本に帰国するが、主人公の故郷は既にダムの底に沈んでいた
出兵直前に結婚した妻・里子は既に死んでおり、叔父によると、
里子は主人公が戦死したという報を受け取った途端に生きる気力を失い、
再婚も受け入れず、衰弱するかのように死んでしまったのだという
同時に、主人公の家の土蔵に閉じ込められていた狂人である土蔵の爺さんも里子の後を追うかのように死んだらしかった

出兵を明日に控えた主人公が里子と結婚式を挙げた日の夜、土蔵の爺さんは主人公に「里子を抱け!」と泣き叫んでおり、
主人公は爺さんを「だまれ気ぶり者!」と罵った


931 名前:2/3 :2011/08/05(金) 01:58:34.81
叔父は、土蔵の爺さんは最後までそのことを惜しんでいたと言う。
せめて、主人公との子さえ産まれていれば里子も生きる気力を失わなかったかもしれなと

主人公は叔父と別れ、ダムに沈んだ故郷を見ようとダムへと向かう
主人公は、生きて帰れないかもしれない身でありながら何故里子と結婚してしまったのか、と思い悩む

主人公は里子との記憶を回想しながらダムへと降りていくが、いくら降りてもダムには辿りつかなかった

主人公は不審に思うが、同時に奇妙な興奮と胸騒ぎを感じて森の奥へと走り出す

そこには、既にダムに沈んでしまった筈の生まれ故郷の村があった
主人公は気が狂ったのかと自問自答するが、これが夢や狂気であっても覚めて欲しくないと感じた


932 名前:3/3 :2011/08/05(金) 02:02:04.49
主人公が村を歩いていると、道の向こうから一人の少女が歩いてくる
それは幼い頃の里子であり、主人公は涙を流して里子に抱きつく
里子は号泣し、村人達や駐在が駆けて来る
主人公はフルボッコされて縛り上げられ、顔の特徴から主人公の実家へと引っ立てられる

主人公の一族の男は決まって特徴的な顔をしており、主人公の顔を見た若い頃の父は
「誰かは知らんが、確かにこの家の人間の顔だ」と認めて主人公の身柄を引き取る
父は主人公に金を差し出して「一族に“気ぶり者”はいらん。出てゆけ」と言うが、
主人公は「一度失ったものを二度も失いたくない」と拒否する

少し時が経ち、幼い頃の主人公が、幼い里子と一緒に自宅の庭を散歩していた
主人公が「土蔵にはお化けが居る」と言うと、里子は恐ろしさから泣いてしまい、
主人公は「お化けが出ても俺が守ってやる」と里子に言い聞かせる

主人公は土蔵の中で蹲って幼い二人の会話を聞いており、幸せそうに微笑んでいた

 

箱舟はいっぱい (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
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(小学館文庫―藤子・F・不二雄
〈異色短編集〉)
藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 1 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
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SF・異色短編 1


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