ホーム » 小説 » 小説/ら行 » リヴァトン館(ケイト・モートン)

338 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/15(月) 12:34:18.71
小説「リヴァトン館」が切ない感じに後味悪い。

19世紀イギリスが舞台で、主人公はメイド。
メイドが仕えてる屋敷のお嬢様はその時代の女性に求められる
生き方に反発して、いつか家を出たいと思っていた。

自由に憧れ、その力を得るためにお嬢様は屋敷の者に隠れて
速記教室に通っていたのだが(速記者とかタイピストは当時の
女性の代表的な職業)、偶然それをメイドが見つけてしまう。

メイドは別の用事でそこにいたのだが、お嬢様は彼女もまた
こっそり速記を習いにきていたと勘違いをする。
秘密が二人を急速に近づけ、お嬢様に友情を感じていたメイドは
それが嬉しくて本当のこと(速記なんか知らない)を打ち明けられずにいた。

時が過ぎるも、お嬢様は結局家をでることができず家のための結婚をした。
けれどお嬢様はずっと孤独で、自分と同じように自由への憧れをもった
男と恋に落ちてしまう。


339 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/15(月) 12:37:23.52
お嬢様の妹もまた男に横恋慕しているのだが、男はお嬢様一筋。
男とお嬢様は駆け落ちを考え、人知れず屋敷を抜け出す算段をつける。
だが、お嬢様はメイドにだけ手紙を残していた。

手紙は2通。ひとつは速記で書かれており暗号のようなそれを
メイドは読むことができない。もうひとつは宛名はお嬢様の妹だった。

迷ったメイドだが、何かおそろしく重要な事がおきる不安から妹宛の
手紙の封を開ける。それは遺書のようだった。「湖に身を投げる」うんぬん
というような事が書いてあった。

お嬢様を死なせたくない一心でメイドはお嬢様の妹を連れ、急いで湖に向かった。
二人はそこにお嬢様を見つけ、まだ死んでいなかったことに安心するが、その後
男がやってきてお嬢様と共に屋敷を出て行くということを知り、妹は嫉妬から
激しく姉と男に怒りをぶつけたのだった。

口論と激昂の末、戦争のトラウマをフラッシュバックさせ正気を失った男が
妹に銃を向け、やむを得ずお嬢様が男を銃で撃つ。


340 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/15(月) 12:42:25.44
男は死に、自殺として片付けられた。
その後、姉妹たちもまたそれぞれに亡くなった。妹は社交にのめりこみ
深酒したあげく交通事故にあって死亡。姉であるお嬢様は妊娠していたのだが
妹の死を知った後、赤ん坊を出産してそのまま亡くなった。
半身のようにも思っていたお嬢様の死は、メイドの人生に空虚をもたらし
立ち直るまでに長い時間を必要とした。

メイドに残されたあの速記で書かれた手紙の内容はこうだ。
『 私が自殺したと騒ぎになるだろうけど、ずっと私の秘密に付き合ってくれた
あなた(メイド)だけには無事だと伝えておきたくてこの手紙を残しています。
もう一通は妹宛に残した偽りの遺書。必ず明日の朝、見つかるようにして欲しい。
その前に湖には絶対に妹を近づけさせないで。私たちはそこから出発するのだから。
安全になったら妹には改めて連絡します。

さようなら。あなたが末長く愛と冒険に満ちた一生を送れることを祈っています。
私にも同じ事を祈ってね……。あなたは秘密の扱いの達人だと信じています』

そしてメイドはその後の人生で罪と秘密を持ち続けたのだった。

 

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