ホーム » 小説 » その他書籍 » 阿奈遠加志/兵衛尉某(沢田名垂)

816 名前:本当にあった怖い名無し :2011/11/14(月) 13:46:24.56
江戸三大奇書の一つ『阿奈遠加志(あなをかし)』に収録された
「兵衛尉(ひょうえのじょう)某(なにがし)」。

兵衛尉某という人は、もともと戦功の多い由緒ある武士であったが、今は浪々の身となり
妻と幼子、老母を連れて貧しく隠棲していた。
これ以上子供が出来ては生活が立ち行かなくなるので、妻と相談して禁欲を誓い
「夫婦の交わりは断って、今後は母と子を養っていくことのみに尽力しよう」と約束する。

家計は着るものにも苦労するほど貧しく、使い古しの夜具を解いて着物にするくらいだった。
夏になっても蚊帳にするような薄布の余裕はなく、
夜通し蚊遣りを焚くのが夫の役目で、おちおち眠ることも出来なかった。
ある夜、うとうとしていると急に蚊遣りの火加減が強まり、
燃え上がった音に怯えたのか、妻に取りすがって寝ていた子供が着物を掴んだまま寝返りを打った。
すると立て膝で仰向けに寝ていた妻の秘所が露わになり、
まだ三十前後の男盛りで一年余りの禁欲生活を我慢してきた夫は
急に抑えがたい衝動が燃え上がって、寝込みの妻で欲望を達してしまう。

体裁が悪くて妻にはその夜のことを黙って過ごしていたが、冬が近づく頃
夫が狩りから戻ると、子供が戸口で「お母さんがいない」と言って泣きじゃくっていた。
老母が預かった手紙を差し出すと、そこには長引く体調不良と身に覚えのない懐妊を告げる文があった。
妻は、誰が父親とも知れぬ謎の懐妊を恥じ、居たたまれずこの世にお暇をしようと家を出たのだった。
責任を感じた男は茫然自失し、気が狂ったように血眼になって、家を出た妻の後を追った。

夫ェ・・・ (´Д`)
気持ちは解らんでもないが、黙っていたのが余計に事態をマズくしたな…。


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