ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その126A » 月光条例/月光の正体(藤田和日郎)

915 名前:本当にあった怖い名無し :2011/11/20(日) 02:14:38.62
これは「ストーリーが後味悪い」んじゃなくて、
諸事情から「作品がつまらなくなった」という意味で後味が悪いと俺は思ってる話

少年漫画『月光条例』立ち読みだからうろ覚え(まだ未完だけど)
作者は漫画描くのが大好きで暴走して大風呂敷を広げてしまう性質だけど、
必ず全ての伏線を回収して終わるところに定評があった
けど、この『月光条例』はちょっと酷いことになってて、
人気が低迷して雑誌での掲載順も後ろの方になって、ファンからも不評が多い

『シンデレラ』や『赤ずきん』等の昔話・御伽噺・童話等の
「物語の登場人物(キャラクター)」が実在(?)する「物語の世界」では、一定周期で怪現象が起き、
その影響を受けた物語のキャラ達は異能の狂人と化してしまう
狂人キャラは物語の世界を滅茶苦茶に破壊し、「読み手(人間)」の存在する現実世界に出現して猛威を振るう
様々な物語のキャラ達は月打に対抗すべく団結し、狂人キャラを倒して元に戻す組織を創る

主人公は捻くれ者の不良だが、「本当の事を言うのが嫌い」で素直じゃないだけで、根は心優しい少年
読み手(人間)として人間界で暮らしていたが、偶然にも組織と狂人キャラの戦いに巻き込まれ、
狂人キャラを倒せる力を得てしまう

物語中盤、狂人キャラ化した『桃太郎』が現れる
狂人キャラ化した桃太郎は、鬼への恐怖を払拭して名実共に日本一に成ろうと暴れ回る
桃太郎に友人を傷つけられて怒った主人公は、
髪が一纏めに尖って角の様に高質化し、異様な強さを発揮して桃太郎を圧倒する
桃太郎の脳裏で主人公と鬼の姿が重なり、鬼への恐怖がフラッシュバックする
主人公は戦いの末に意識を失うが、その際、遠くから響く「まるで半身を裂かれたかの様に」泣き叫ぶ声を聞く

主人公の育ての親は、主人公が捨て子であることを明かし、
「主人公は人間ではなく、どこか遠くの世界からやって来た」と証言する


916 名前:本当にあった怖い名無し :2011/11/20(日) 02:16:34.27
「角化する髪」「桃太郎を威圧する鬼の威光」「半身を裂かれた様な泣き声」
「人間ではない」「本当の事を言わない」「善人だけど悪ぶっている」
↑の伏線から、『月光条例』の読者の間で
「主人公の正体は『泣いた赤鬼』の『赤鬼』か『青鬼』のどっちかじゃね?」って噂になった
(童話『泣いた赤鬼』は、本当は心優しいのに人間から恐れられている赤鬼がいて、
 親友の青鬼が赤鬼のために人間を襲う悪役を演じる話。赤鬼は青鬼を倒したことで人間達の英雄に成るけど、青鬼を想って泣く)
ネットの掲示板とかブログでもそう推測してる人が多かったんだけど、実際には違った

物語終盤。過去の回想
童話『青い鳥』の主人公・チルチルは、何十年も前に狂人キャラ化し、
魔法の帽子で他の物語の世界へと自由に移動し、全ての不幸な物語に手を加えてハッピーエンドに変えようとする
(童話『青い鳥』は、貧しい兄妹のチルチルとミチルが、幸福の青い鳥を捜し求め、
魔法使いから貰った「どこにでも行ける魔法の帽子」で旅をする話。
青い鳥に逃げられ、チルチルは読者に「青い鳥を見付けて」と呼びかける、という結末)
チルチルは不幸な物語の世界で薄幸の少女と出会い、「幸福(ハッピーエンド)にして救ってやる」と宣言する
しかし、奮闘虚しくチルチルは物語の改変に失敗し、物語はバットエンドを迎えてしまう
チルチルは死に瀕すが、薄幸の少女が身を投げ打った事によって逆に命を救われてしまう
チルチルは失望から泣き叫び、元居た『青い鳥』の世界に戻ることもできず、現実世界を放浪する
やがてチルチルは記憶を失い、後の主人公となる

「角化する髪」=魔法の帽子
「身を裂かれた様な泣き声」=誰一人救えなかった失望
「本当の事を言わない」=「救う」宣言を実現できず、薄幸の少女の自己犠牲で逆に救われた負い目
↑という、ちょっと無茶な感じのする伏線の回収

何でこんな変な展開になったかっていうと、
どうも主人公の正体は初めは本当に「泣いた赤鬼の鬼」っていう予定だったらしいんだけど、
主人公が鬼っぽいって伏線を散々張った後で「泣いた赤鬼は著作権の問題で使用できない」ってことが分かって、
主人公チルチルって展開に急遽変更することになったらしい
前代未聞だよな

 

月光条例 14 (少年サンデーコミックス)
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