サイコメトラーEIJI／「騒霊の館」（朝基まさし）

物や人から過去の記憶の断片を読み取る超能力「サイコメトリー」を持つ主人公が、
刑事と協力して数々の怪事件を解撤していくストーリー

連続殺人が起き、主人公は現場に残されていたパレットから「館」の映像を読み取る
その後、主人公はその「館」が画かれた絵を偶然にも発見する
主人公と刑事は、事件解決の手掛かりを得るため、「館の絵」を画いた天才画家少女に会いに行く

主人公と刑事は少女が暮らす山奥の館へと向かう
館には主人公達以外の客を含めて数人の男女がおり、大雨による土砂崩れによって館に閉じ込められてしまう

その日の夜、館の照明が点滅し、館に置かれている大量の玩具の人形が電池も無しに動き出すという怪奇現象が起こる

その騒ぎに紛れ、あたかも「人形が動いて人を殺した」かの様な連続殺人が起きる
超能力を使った主人公は(何に触れたかは忘れた)、何故か意識不明の状態に陥ってしまう

少女が今の様な状態になったのは、数年前に起きた墜落事故が原因だった
少女は、乗客202人中201が死亡したその事故で家族を失い、たった１人の生存者となった
家族がその飛行機に乗ることができたのは、先に飛行機の席を予約していた人達がキャンセルして席が空いたからだった
そのキャンセルして命拾いした人達こそが連続殺人の被害者だった

しばらくして意識を取り戻した主人公は酷くやつれていたが、全ての謎を解決するためにもう一度フランス人形と話をする
フランス人形は事件を語り始める

表情を失った少女は、読み取った201人の「死者の記憶」を元に絵を画く事でしか自分を表現できなくなった
そして、命拾いした４人がテレビのインタビューや葬式で「自分は死ななくて良かった」と喜んで笑っているのを見てしまう
「彼らが笑っている限り、自分は永遠に笑えない」
少女は絵の中に「感情を取り戻したい」という自分自身の思いを織り交ぜていく

人生に絶望して自殺未遂を繰り返していた＜犯人＞は、少女の画の中の願いに気が付き、
フランス人形からも少女の気持ちを教えられ、少女に笑ってほしいと願って４人を殺した

その後、あの事件の際に館に居合わせたある人物から刑事にメールが届く

メールには、少女自身が画いた自分の肖像画の画像が添付されていた
それは一般公開されていない絵であり、元となった「死者の記憶」は、少女の家庭教師だった大学生のものらしい
少女は大学生に恋をしていたが、敵わぬ恋だとも感じていた
しかし、墜落事故の際に大学生が最後に思い浮かべたのは、少女の姿だった

メールを読み終えた刑事は「恐ろしい考えだ」と冷や汗をかくながら呟く