夜叉御前(山岸凉子)

151 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 12:04:53.37
山岸凉子の夜叉御前って短編、サイコホラー注意。

主人公は病弱な母親の代わりに家事を切り盛りする、15歳の女の子。

ボロ家に引っ越した夜、鬼がやってくる。
「鬼はとても重いのです」
「鬼は昼間は現れません。夜になると私を押し潰そうとします」
「鬼に負けないように、たくさん食べて元気をつけなくては。弟妹に心配かけるわけにはいかない」
「油断しました、鬼は私を太らせて家から出られないようにするつもりです」

ある夜、主人公の部屋に般若が現れ、鬼を殺す。
次頁で、般若は母親で鬼は父親で主人公は臨月の腹だとわかる。
(前頁と同じ構図で、病み衰えた中年女性・裸の中年男性の死体・臨月の主人公を描く)

主人公は子供を生むが、妊娠したことを理解していない。
「君と○○○さんの子供だよ、って何のことでしょうか」
「なぜ私にこの小さな鬼を押し付けるのでしょうか」
主人公が精神病院に入ることを暗示して終わる。

初めての山岸凉子がこれだった。


152 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 12:59:28.78
主人公が理解していないままなのがある意味救いだな

163 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 22:44:47.46
>>151
ここで後味悪い話読みすぎてたせいか、
こんな救いのない話なのに
最後に母親が主人公を庇って?くれただけまだマシかと思ってしまった…

164 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 22:50:00.82
>>163
その話し、病気の母親が娘を守る為に旦那を…ではなく、嫉妬心からだから。
(「若い女と乳くりあって、キィイー!」系)

165 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 22:51:52.43
>>164
知りたくなかったその事実(´;ω;`)

166 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 23:08:55.72
>>164
嫉妬心では無く
どうにも収拾がつかなくなった事態に片をつけるって感じだと思う。

167 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 23:10:59.71
>>163
般若化してるってことは、
主人公をかばうためではなく、女として
嫉妬に狂ってるんじゃないかと思った。
元の漫画読んでないのではっきりしないけど。

169 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 23:32:34.17
>>167
昼間家事をしている主人公が、宙に浮いた般若面に睨まれているコマがあった。
夜、主人公が「鬼に押し潰され」ていると、
襖が音もなく開いて着物姿の般若(本当は寝巻を着た母親)が覗いているコマも。

170 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/09(土) 23:36:13.90
>>167
いや、嫉妬だったら、まっ先に同性の娘を殺すはず。
でも、そうではなく、父親の脳天に斧を一撃必殺。
そして「お前も死ぬのだよ紀子!」と追い回す。
近親相姦、果ての妊娠に対する
腎臓が悪くて寝たきりの母渾身の解決方法だった。
まだ小学生の兄弟と寝たり起きたりの祖母までいからね。
すでに気は触れてたんだろうけど
母親なりに他の家族を守ろうとしたんじゃないかな。

171 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/10(日) 00:11:04.39
深い意味ではそれもあるかもね、仏教的な般若の意味とか般若坊とか。
ただ、表層として出した「般若面の女」、嫉妬も間違いなく殺害に寄与してるあたりは後味悪し。

174 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/10(日) 01:57:31.60
夜叉御前も単純な女の嫉妬では無い。
出だしから唐突に辺鄙な山奥へ越してきたところから始まり
その時点で主人公は既に鬼の存在を感じてる。
夫婦、こども3人、祖母、の大所帯
幼い弟妹と病気で寝たきりの母と寝たり起きたりの祖母を抱えているのに
水道もなくガスも来ていない山奥暮らし…正に都落ち。
おそらくここへ来る前に既に何かひと悶着あったであろうことが想像できる。
そして結局破滅…恐ろしい話だよ。

 

夜叉御前―自選作品集 (文春文庫―ビジュアル版)
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神かくし (山岸凉子スペシャルセレクション 3)
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