三界万霊塔(久生十蘭)

355 名前:1/3 :2012/06/16(土) 16:37:38.61
久生十蘭の短編「三界万霊塔」

主人公は羽振りのいい会社経営者。戦前にはオーストラリアで真珠貝採取業をやっていた。
ある日、当時の盟友と昔話をするうち、話題は不穏な方向に向かう。
・盟友の娘が結婚するが、先方の希望で麻布のカトリック教会で挙げることになった(伏線1)
・人権擁護局というものができた
・オーストラリアの地方紙に、過去の悪行を仄めかす記事が出た、記者の名はマックス(伏線2)
・捕虜になっていた商売敵が帰国した

戦前に一攫千金を夢見て、あるいは没落してオーストラリアに流れ着いた不良外人(日本人)仲間で起業したが、
なんせ貧乏船団、真珠貝の肉やナマコまで採っても赤字である。
ところで彼らは起業前、田舎町のコックスという一家が経営する下宿屋にたぐまっていた(伏線3)


356 名前:2/3 :2012/06/16(土) 16:38:20.69
そこで彼らは、他の船団が見つけた貝床を乗っ取ることにした。
・島の井戸に毒を入れ、穏和な部族を煽り、船団を襲わせる。
・ダイバーを削岩用の鑿で殺し、大カマスのせいにして撤退させる。
・別の船団に「顔繋ぎの宴会」を持ち掛け、やって来た船員を殺して凶暴な方の部族に罪をなすりつける。
 局地戦で両方全滅。
・洒落で海底に万霊塔を建てる。建立前に笑いながら記念撮影。
・違法操業を密告し、船長をまだ12歳の息子共々刑務所送り。

主人公と盟友は機を見てうまく立ち回り、今に至る。

しばらくして、白人青年が訪れる。
「コニチワ。主人公サン、とうとうお目にかかりました。わたくしコックスです」
「オーストラリア以来ヒサシブリでございます」


357 名前:3/3 :2012/06/16(土) 16:39:52.44
「わたくしがオーストラリアで少年でおりました時代、
 まさか盟友サンのお嬢サンと結婚するとは誰が考えたでありましょうか」伏線1
主人公は、彼をオーストラリアの新聞記者、マックスだと思い込んでいる。
「主人公サン、わたくし下宿屋のコックスです。マックスではありません」伏線2、3
「バンレイトウとは何ですか。この写真は何ですか」
激高して倒れる主人公を支えるコックス青年。
「女中サン、女中サン、早く来て下さい!」

老人性のうつか、遅れてやってきた罪悪感か、それとも自覚のない痴呆が始まったのか。
逃げ切ってほしかったので、後味悪い。


358 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/16(土) 17:57:51.77
いまいちストーリーが分からないな…
主人公は、盟友の娘の結婚相手が昔自分達が殺した人間の子供だと勘違いして、
そいつが復讐に来たと思って激高して倒れたの?
自分達が悪行を働いたのが悪いんだし、何が後味悪いのかサッパリだ

364 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/16(土) 21:53:32.44
主人公たちオーストラリアでやりたい放題
成金
過去の悪事を娘婿に暴かれると勘違い

365 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/16(土) 22:13:28.00
>>364
何て親切な人だろう!

 

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