ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その131 » 天人唐草(山岸凉子)

391 名前:1/3 :2012/06/18(月) 01:12:34.86
山岸凉子の短編「天人唐草」

主人公は厳格な父と貞淑な母を持つ、ファザコンの一人娘。
父のコネで半官半民の組織(第三セクター?)に高卒で就職する。

のんびりした職場には、イケメンの先輩・中卒のチャラ男・一年先輩のギャルがいた。
ギャルは主人公とは系統の違う美人。
「本庁に書類を届けに行く」だけなのにしっかり化粧を直し、
帰りに喫茶店でサボったことでおばさん職員に嫌みを言われても平気な性格。

一方主人公は、慣れない仕事で失敗を指摘されるたびに泣きそうになって謝る。
年配職員は、ギャル君はあっけらかんとしてる分まだマシ・あれじゃ注意もできない、などとこぼしている。

職場の宴会の帰りに中卒が送ってくれたが、途中で口論になる。
中卒なりの飾らぬ言葉で、自意識過剰・誰も新人の事なんか注目してない・
もっと気楽に働け、と叱咤するが、主人公の心には届かない。
それは、応対した父が中卒を、チャラチャラした男は好きじゃない、と酷評したせいでもある。


392 名前:2/3 :2012/06/18(月) 01:19:09.67
数年後、中卒は昇進試験で本庁に栄転する。
ギャルはデスクで化粧を直しながら、主人公を
「いつまでも少女のようで羨ましいわ」と鼻で笑う。

しばらくして、誰にでも優しかったイケメン先輩とギャルが結婚する。
母を亡くした主人公は、父のために退職して家事を引き受ける。

父のコネで縁談は降るようにあるが、自主性がないという理由で全部断られる。
(映画でも見ましょうか→あなたがそうおっしゃるのなら・夕食は何がよろしいですか→あなたのお好きなものなら何でも)
父は、もう少し自分を出してみろ、と苦言を呈するが、主人公はそのやり方がわからない。
父の教育のせいだと詰りたいが、父の前では何も言えなくなる。

主人公が30歳になったある日、父が愛人宅で腹上死する。
愛人は主人公とは正反対の、色気ダダ漏れの見るからにだらしない中年女で、母の存命中から付き合いがあった。
帰宅途中、主人公はレイプされる。


394 名前:3/3 :2012/06/18(月) 01:20:27.07
「大丈夫…野良犬に噛まれたようなものよ…”あの人”は許してくれるわ…!」
主人公はついに発狂する。
(ナレーションというか地の文に、「”あの人”とは一体誰なのか」とある。これが山岸凉子の残酷さだと思う)

翌朝、フリフリのドレスを着て厚化粧で金髪(レイプ直後に美容院に乱入してやってもらった)を振り乱して
奇声を上げ、空のトランクを引きずった主人公が空港を徘徊する。
本人はハネムーンのつもりらしい。

父の意思=自分の意思になっちゃった悲劇ってことで。


397 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/18(月) 01:46:10.02
>>394
天人唐草は名作だよね。
男尊女卑な父親にスポイルされる様と
主人公自体も楽な方に流される&今更軌道修正できない様が秀逸だった。

398 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/18(月) 02:22:42.17
>>394
きえーーっ!

 

天人唐草―自選作品集 (文春文庫―ビジュアル版)
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天人唐草 (山岸凉子スペシャルセレクション 5)
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