ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その131 » 奈落(山岸凉子)

733 名前:1/2 :2012/06/28(木) 16:25:11.80
山岸凉子の短編「奈落~タルタロス」

主人公は女優の卵。女優の姉を追い掛けるように芸能界入りするが、大根なので仕事はない。

劇作家の父は姉を可愛がっていた。
主人公は母と同じブルネットと灰色の瞳で美しい母のただのコピー、
姉はプラチナブロンドと青い瞳を持つ、美しい母の改訂増補版なのだ(主人公の勝手な解釈)

父と喧嘩した主人公は、深い穴に母の形見のハサミを落とす夢を見る。
喧嘩といっても、姉は天才だが主人公は違う、特訓しろ、と諭されただけ。
翌朝、父は睡眠薬の量を間違えて死んでいた。

姉のエージェント(有能なイケメン。姉をスカウトした)についた主人公だが、まだ大根なので仕事はない。
姉とエージェントのキスを目撃した主人公は、また深い穴とハサミの夢を見る。
翌朝、姉は事故死する。車のブレーキが利かず、崖から落ちたのだ。

髪をプラチナブロンドに脱色した主人公は、姉の服を着てエージェントのアパルトマンを襲う。


734 名前:2/2 :2012/06/28(木) 16:27:04.41
「どう?あたし姉みたいでしょ?」
自信満々に服を脱ぐ主人公。
それは映画での姉の演技そのままだった。

エージェントは主人公を叱り、呆れ、拒絶し、哀れむ。
髪を染めて灰色の目をえぐり抜いて青い目玉をはめても、君は姉にはなれない。
姉を追い越すことも成り代わることもできない。
君は事故で姉を失い、君自身も失ったんだ。

主人公には彼の言葉が理解できない。

かつて父がクビにしたいんちきエージェントが近づく。
彼は金髪の主人公を、まるで姉のようだと褒め、映画主演の話を持ち掛ける。
意気揚々とスタジオに行くと、そこには二人の男優と一台のベッド。
「こりゃあいい、まるで姉をレイプしてるみたいだ」
「主人公さんよ、どうやって姉の車のブレーキに細工したんだい?」

主人公は毎日、鏡に写るプラチナブロンドの髪をうっとり眺めている。
子供のころに買ってもらえなかった、姉が来ていたようなピンクのドレスもたくさん買った。
「どうせすぐ脱ぐんだ、無駄だろ」

仕事は降るようにある、毎日撮影で忙しい。
(主人公だけは売春とポルノ撮影だと気づいていない)
最近、同じ夢を繰り返し見るようになった。深い穴とハサミの夢だ。
「深い穴の底に金髪の女が倒れています」
「臥せているので顔は見えません、背中にハサミがたくさん刺さっています」
「あれは姉でしょうか、でも姉は死んで私が姉になったのですから…!」

父に睡眠薬を盛ったのも姉の車に細工したのも主人公で、
だいぶ前から狂っていた主人公は都合の悪いことは忘れておりましたとさ。


737 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/28(木) 19:32:16.52
カラコンでええやん……目玉抉り抜いて新しい目玉って、そんなアンパンマン新しい顔よー!じゃねえんだから……

738 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/28(木) 20:35:51.71
「抉り抜いた」は比喩なんじゃないの?
文字通りなら恐ろしいけど

739 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/29(金) 00:33:33.73
山岸涼子の作品あらすじを見てると、女がひどい目に会う話ばっかりなのな。
この人って女が嫌いなのかなあと思ってしまう。

740 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/29(金) 00:35:39.39
うーん、そんな単純な思考ではないんじゃね?

 

二日月 (山岸凉子スペシャルセレクション 8)
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(山岸凉子スペシャルセレクション 8)


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