ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その132 » メデュウサ(山岸凉子)

69 名前:1/2 :2012/07/08(日) 16:11:48.65
山岸凉子「メデューサ」
サイコホラー注意。
タイトルはメドゥーサだったかもしれない。

「私は最後のメデューサ」
ギリシャ風のローブを着た女が夜道を歩いている。
すれ違う人々は石になるが、そのたびに女の体にヒビが入る。
女の髪は蛇で、巨乳巨尻の堂々たる八頭身である。
(当時の山岸絵の特徴)

屋敷に帰宅すると、バスルームから水音と歌声が聞こえる。
バスルームの磨りガラスには、女性のシルエットが映っている。
入浴を終えたその若い娘は、
「なんだ、あんた帰ってたの?」
と、感動も愛情もなさそうに宣う。
女はレズビアンで、若い娘は愛人である。

女と愛人は思う存分戯れる。
女は攻め、愛人は受けである。
愛人が精根尽き果てて眠った頃、女の蛇の髪がサラサラの黒髪に変わる。
体のひび割れも直る。
「髪が蛇でなくなるのはなかなかいいものだ」
「だがこれでは、人を石に変えることができないではないか」
愛人が寝返りを打ち、男の名前をつぶやく。
それを聞いた女の目は吊り上がり、髪は再び蛇に戻る。

ある日、女は愛人に尋ねる。
「お前は私が恐ろしくないのか?」
愛人は答える。
「はぁ?何言っちゃってんの?」


70 名前:2/2 :2012/07/08(日) 16:13:11.07
愛人は気まぐれに外泊し、何日も戻らないことがある。
何度目かの長い外泊の後、愛人は珍走を引き連れて帰還する。
珍走を見た瞬間、女の体はヒビだらけになる。
愛人は食事と酒を要求するが、キッチンには何もない。
ならば、と金を要求するが、
「ない…みんなお前が使ってしまったではないか!」
女は珍走を石に変え、ヒビが入った体を庇うように肩を抱きながら叫ぶ。
「あっそ。ならあんたは用済みさ!」
愛人は珍走のボスに寄り添い、汚物を見る目で女を見てせせら笑う。

「あんたなんか、倒錯者のくせに!」
愛人の罵倒は、女にはこう聞こえる。
「メデューサのくせに!」
決定的な一打を喰らい、女の体は真っ二つに割れる。

愛人は今、珍走のボスと同棲している。
最初から金目当てで女に近づいたのだ。
女は「近所のお節介が通報」したらしく、精神病院に入院している。
愛人はふと真面目な顔になり、珍走ボスに語る。

あんな奴、嫌い。何かあると相手を無視することで自分を守ろうとする。
自分だけが傷ついたみたいな態度、信用できない。

女は自分がメデューサだと思い込み、自分を傷つける(に違いない)他人を石に変えてやったと思い込むことで
精神の平衡を保っておりましたとさ。

 

妖精王 2 (山岸凉子スペシャルセレクション 12)
妖精王 2
(山岸凉子スペシャルセレクション 12)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...