闇は集う/夜に消える翼(松本洋子)

839 名前:1 :2012/08/09(木) 16:02:53.59
小学生か幼稚園のころ読んだ「闇は集う」という少女漫画の一遍。
当時読みまくったので話の流れに間違いは無いけど台詞は無意識に盛ってるかも。
調べたら単行本未収録で、なんで手放したのか後悔。

死者が死んだ後行き着く部屋があり、そこには「闇の番人」という少年がいる。
番人は死者が生前思い残した事を1つ叶えてくれる。

男女グループが喫茶店にいると停電になり、せっかくロウソクもあるし怖い話でもしようということになる。
そこで3,4つ位の話が語られるオムニバスなんだけど、その中の1話。

怖い話という訳じゃないんだけど…と前置きして女の子が語ったのがこういう話。
「ある学校にとても仲の良い女子学生3人組がいた。1人が不慮の事故で亡くなってしまう。
 その後残された2人は一緒に屋上から飛び降りた…」
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ある学校にA,B,Cという仲良し女子グループ3人がいた。
その3人はいつも一緒にいて、学内でも仲良しで有名。みんな美人。
でも本当はABはCの事をグズで愚直だと見下し利用していた。
実際Cはとてもお人好しで自分が損をするタイプ。

例えば家庭科の課題でワンピースを作らないといけない時、ABは既に完成させているCのところへ行き、
A「わぁCのワンピースとても素敵!私Cの作ったワンピース欲しいなぁ」
B「この生地あげるから私のも作ってよ。とっても良い生地なのよ。大丈夫よCは上手だからあと2着くらいすぐに出来るわ」
C「そんなに言うならあげるわ。私たち友達だもの(ニコニコ」
AB「ありがとう、Cの作ったワンピースですもの大事にするわ」という感じ。
そんな感じでCに忘れ物を取りにいかせたりしていて、ABはCと「仲良しごっこ」をしていた。


840 名前:2 :2012/08/09(木) 16:04:08.98
Cが校内でも人気のイケメン君からラブレターを貰う。
Cもほのかに恋心があったのか過去に体育館でタオルを渡したりしていた。
それを目撃していたABは嫉妬心から、こっそりCの引き出しから手紙を見つけ、同じ文面の手紙を3つ作る。
それをCに見せて一芝居うつ。
「Cもイケメンから手紙貰ったの?ちょっとこれ見て、Cのも見せて」
「(無理矢理ひったくる)やっぱり!ABCみんな同じ文章!」
C「うそ…」
「あいつ私たちみんなに同じ手紙なんか渡してサイテー」
「私たちの仲を引き裂きたいんだわ」
C「違うわイケメン君はそんなことする人じゃない。きっと…私達と友達になりたいのよ」
「はぁ?」
C「私達がとっても仲が良いから仲間にして欲しいのよ!でもイケメン君シャイだから…」
「違うって言ってるでしょ!!」
純粋すぎるCに苛立ったABはCの手紙を丸めて投げ飛ばし、崖の途中にひっかかってしまった。
帰るわよ、とCを促すABだったが、Cは崖をおそるおそる降りて手紙を取ろうとする。
「あーあ制服も泥だらけになっちゃって」と崖の上からCを見下ろすABは悪戯を思いつき目配せする。
小石をCに目掛けて蹴ったのだ。ほんの小さな石だったが、驚いて手を離したCは崖を滑り落ち…。

救急車の音をバックに先生に泣きつくAB。
「Cが、Cがどうしても風で飛ばされた手紙を取りにいくって聞かなくて」
先生「手紙?」
ABは側にいたイケメンを睨みつけ、指差して叫んだ
「アンタがCに手紙なんて渡すから!!」「アンタが手紙なんて渡さなければ!!」
野次馬はざわざわと「手紙?」と騒ぐ。


841 名前:3 :2012/08/09(木) 16:05:14.45
ABはCが死んでも反省や後悔などしていないようだった。
それにしてもCってお人好しで馬鹿よね、と笑い合っていると何かゾクッと視線を感じる。
それは日常生活で度々感じ、Cの作ったワンピースを少し躊躇しながらも、
強がって「こんなダサいワンピ着るわけないわよ」とゴミ箱に捨てる時にも感じた。
だんだんABはやつれていき、Cの幻覚を見るようになる。
「私の作ったワンピース、大事にしてくれてる?だって私達友達だものね…」と笑顔のCの顔が血みどろになる夢で目が覚める。
そして下駄箱にCからの手紙が入っていたことでABの精神は追い詰められる。
その手紙にはABCしか知り得ないような内容が書いてあり「ずっと友達でいてくれてありがとう」で締められていた。
誰もいない屋上でその手紙について口論するAB。
「たちの悪い悪戯よ」
「でもCしか知らないような事ばっかり書いてあるのよ!」
「じゃあCの幽霊が恨んでて手紙かいたって言うの!?」
「もうイヤ!あの視線も!」
そこで屋上へのドアが開き、それを見たABは青ざめる。
「あ…アンタだったの…」「来ないで…」
恐怖からかじりじりと後ずさるAB。「あっ」屋上から2人は落ちた。
ドアにいたのはCにラブレターを送ったイケメン君だった。

場所は変わり闇の番人とC。番人はCになにか願いを言えと言う。
Cは無邪気な顔で「仲良くしてくれたAB…それにイケメン君に手紙が書きたい」という。
番人は「2人を恨んでいないのか」と聞くがCは
「何故?2人は私の大切な友人ですもの!ABは誤解してたけど…イケメン君ともきっと仲良くなれると思うの」
と本当に邪の無い顔で言う。
番人はその願いを叶えたのだった。


842 名前:4 最後 :2012/08/09(木) 16:06:15.69
イケメン君は警察の取り調べを受けていた。
「飛び降りたABについてなにか心当たりは」
「Cが亡くなってからふさぎ込んでいるようでした」
他の生徒も同じことを言っていたらしく「やはり親友を追ってか…」とすぐに解放されるイケメン。
イケメン君の元にも手紙が届いていた。
「ABは誤解してるけどきっと仲良くなれるはず。ABのことを見守ってあげて。」
その手紙のとおりABを見ていた。でもこれで本当に良かったのか…?
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舞台は戻り停電中の喫茶店。
男「それって後追い…?」
もちろん男女グループは上記の真実の話は知らない。
女「でもそんなに思い合える親友がいるってちょっとロマンチックね…」

イケメンの真意が曖昧な表現してあって怖かった。


843 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/09(木) 16:23:13.63
「闇は集う」懐かしい!
この話は覚えてないけど…
トラウマメイカー松本洋子の作品だよね。

845 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/09(木) 19:50:43.53
>>839
冒頭にCの葬式でAとBはイケメン君から貰ったラブレターが風で
飛んだのを取ろうとしたから事故であの子は死んでしまったのと
嘘言って詰め寄っていた描写があった
教師や同級生達はそれを鵜呑みにしているのでイケメン君の
せいで仲良し3人組は死んでしまったと認識されているだろうなと
考えると後味悪かったな