相棒/シーズン7最終話「特命」

148 名前:相棒1 :2012/08/21(火) 23:44:19.23
テレビドラマ「相棒」Season8・最終話「特命」より

警視庁特命係の刑事である杉下と神戸の元に、一通の絵が届く。
その絵はまるで写真のように繊細で忠実で、
女性が殺害されていると思われる場面が描かれていた。

その絵の送り主は田舎の山村に住む20代の女性・A子。
杉下と神戸はA子の元へ話を聞きに行くことに。
A子は絵が描かれた経緯を話していく。
「その絵はキイちゃん…私の弟が描いたんです。
キイちゃんは重度の知的障害を持っていて」
それを聞いて杉下が納得したように言った。
「なるほど。弟さんはサヴァン症候群なのですね」
サヴァン症候群とは、知的障害のある者のうち、ごく特定の
分野に限って優れた能力を発揮する者の症状を指す。
例えば…聴力が人並み外れて良く、一度聴いた曲をその場ですぐに弾ける等。
(最近では盲目の天才ピアニストとかテレビで有名だと思う。)
A子の弟である「キイちゃん」ことキイチの能力は
見た物を一瞬で記憶し、まるで写真のように忠実に紙に描ける。


150 名前:相棒2 :2012/08/21(火) 23:46:57.13
A子は、例の絵はキイちゃんがどこかで目撃した殺害現場を
描いたものではないかと思って杉下と神戸に送りつけたのだった。
A子には確信があった。
「キイちゃんは重度の知的障害で会話も難しいですが
嘘の絵を描いたことはない。実際に見たものしか描かないんです」
実際に、絵に描かれた女性は数日前にこの山村で死亡している。
「“写真”ならともかく“写真のような絵”では
証拠とするには難しいかも」と神戸は言ったが
杉下は持ち前の頭脳で真相を暴いていく。

この事件については割愛。
後味が悪いのは、無事に事件が解決したかに思った後の話。

キイちゃんは毎晩7時きっちりにスケッチブックを持って
山道を散歩する習慣がある。
そして2時間後ぐらいにきっちり帰宅するのに、
事件解決の夜はなぜか何時間経っても帰ってこない。
その日は冷たい雨が強く降る夜だった。

すぐに村の人々や警察官が、山の中でキイちゃんの捜索を始める。
A子は自宅で待機しながら、ぼんやりと両親の仏壇を眺めていた。
つい最近両親が他界し、A子は都会からこの山村に戻って
キイちゃんの世話をしながら二人きりで暮らす毎日だった。


152 名前:相棒3 :2012/08/21(火) 23:54:47.40
翌朝、キイちゃんの冷たくなった死体が山中から見つかった。
崖から足を滑らせて骨折し、雨に打たれ衰弱死した様子だった。
地元の警察官曰く
「昨晩は例の事件の捜査のために目印となる
案内標識などが移動されていた。いつもと違う様子に
キイちゃんはパニックになり、道に迷って落下したのではないか」
とのことだった。
キイちゃんの死体の傍で座り込んでいるA子。
ふと杉下がキイちゃんの傍らに落ちているスケッチブックを開いた。
そこに描かれた4枚の絵を見て、杉下はA子に問いかけた。
「A子さん、この4枚の絵が何かわかりますか?」
「人間の口元…唇ですか?」
「その通り。この唇の絵、あなたの口元と同じ位置にホクロがあります」
杉下は自身の確信に満ちた考えを語り続ける。
「この4枚。それぞれが “ご” “め” “ん” “ね” と動いているように思えませんか」

実はA子は昨晩、崖から滑落したキイちゃんを発見していた。
「キイちゃん!こんな所に…どうしたの!」
「いたいです。いたいです。あしがうごきません。あうあー」
「今助けるからね!」
力弱く叫ぶキイちゃんを抱き上げようとしたA子の脳内に
ふと悪魔のような囁きが。


153 名前:相棒4 :2012/08/21(火) 23:58:02.53
『一度は夢を叶えて都会に出たのに、両親の他界とともに
私はこの山村にまた戻るはめになった。
私は一生キイちゃんの面倒を見て過ごさなければならない。
もしもキイちゃんが居なくなれば、また夢を追いかけられる。
もしもキイちゃんがここで死ねば…。』

「キイちゃん…。ごめんね」
A子は涙を流しながらキイちゃんをそのまま置き去りにした。
姉が去っていく姿を、わけがわからず見つめるだけのキイちゃん。
やがて雨に体力を奪われて衰弱したキイちゃんは
朦朧とした意識でスケッチブックに絵を描いた。
姉が最後に残した『ごめんね』の口元の絵を。
その4枚の絵がキイちゃんの最期の作品になった。

神戸は言った。
「これが本当なら、あなたは保護責任者遺棄罪に問われます」
杉下が間に入るように言った。
「この絵だけでは物的証拠とならず、あなたを罪に問うのは
難しいでしょう。ですがあなたはキイちゃんという存在を
(ここでグッとくる重たい台詞があったんだが忘れた…スマン)」
それを聞いてA子は地面に崩れ落ちる。
そして運ばれていくキイちゃんの死体にすがりつくように
何度も何度も泣き叫んだ。
「キイちゃん、ごめんね、ごめんね、許して」

ここで杉下が意味ありげに空を見上げて終わり。


157 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/22(水) 06:29:41.68
>>153
これ見てたよ
その姉弟のエピソードもそうだけど、どうしようもない話だったな

殺人現場の絵の話は、金を湯水のごとく浪費するアホのボンボン息子に援助するために
そいつの両親が自分たちに保険金かけて、山中の小屋で自殺しようとして
途中で人が助けに来たせいで、母親だけが首を切って死んじゃって
村ぐるみで、母親は病死か何か、とにかく自殺や殺人ではないということで、隠蔽することになったんだけど
夫婦が自殺を試みた小屋は、毎日きいちゃんが動物を観察しに来てた小屋で
きいちゃんはいつも通り、隙間から小屋を覗いて、中にいるネズミの絵を描いてて
ネズミの背景として、女性が死んでて村の男たちが取り囲んでるというシーンを描いてしまった
とかだったと思う(かなりうろ覚え)

結局保険金も下りなかったし、警察が真実を暴いても誰も幸せになれなかった


166 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/22(水) 21:46:08.60
>>157
この回は及川光博演じる神戸警部補の初登場回なので正確には
「着任した神戸が一人で村を調査していた右京を追い合流」だね

さらに付け加えると標識が無くなっていた原因は
捜査ではなく村人たちの偽装工作のせい。

 

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