ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その133 » 常世長鳴鳥(山岸凉子)

487 名前:1/2 :2012/09/02(日) 18:43:58.99
山岸凉子『常世長鳴鳥』

主人公の雪影(ゆきえ)は健康で成績優秀だがあまり器量の良くない少女。
それとは対照的に姉の花影(はなえ)は美しく病弱で、両親と祖母は幼い頃から常に花影ばかりを気にかけていた。
家庭では何かにつけて花影が優先され、花影が高級な着物を沢山買ってもらう一方で雪影は普段着もあまり買ってもらえない。
動物を飼いたいと言えば花影の喘息が悪化するからと咎められる。
それに不満を言えば「健康という財産を持っているんだから贅沢を言わない」と叱られる毎日だった。

中学二年生になったある時、母親から商業高校へ行くように言われ愕然とする雪影。
国立大に受かってみせるからと反発するも
「花影の手術代がこれからもかかる」「なぜ自分の事ばかり考えるのか」と再び叱られてしまう。

そんな事があった数日後、雪影は密かに憧れていた先輩が花影に好意を持っている事を知る。
花影の側もその先輩は気になっており、雪影に先輩の事を気恥ずかしげに聞いてくるのだった。

部屋にこもり泣きながら花影の着物を切り裂く雪影。
『何もかも一人占めするつもり!?あんたは何だって持ってるんじゃない!あんたなんて早く死ねばいいのよ!』


488 名前:2/2 :2012/09/02(日) 18:46:13.03
それから暫く経った日、近所の川から花影が遺体となって発見された。
泣き崩れる両親と祖母。
その背後で雪影は笑っていた。

花影を殺したのは雪影だった。
寒い夜に「先輩が来ている」と花影を騙しこっそり川原に連れ出して突き落としたのだ。
これで家族の愛情は全部自分のものになる、お母さんたちも健康で優秀な自分のほうが
姉よりずっといい子だと気付いてくれる筈だと微笑む雪影。

場面が変わって両親と警察の会話。
突き落とされた花影の遺体が誰かの服のボタンを握りしめていた、心当たりはないかと母親に聞く警官。

「これは確か雪影の服のボタン…でもまさかそんな…」
と青ざめる両親で終。


499 名前:本当にあった怖い名無し :2012/09/02(日) 22:50:13.64
>>488
現実でも、障害があったり病気だったりするきょうだいを持つ人は、我慢をたくさん強いられているんだろうな。
仕方ないことなんだろうけど、きょうだいに発作が起きたら
自分と何か約束があっても家族は看護を優先するだろうし、進学の選択が狭まったり。
きょうだい愛があっても、自分も家族に大切にされてても、時につらいだろう。
この話みたいにあからさまに家族から差がつけられてたら尚更

 

常世長鳴鳥 (山岸凉子スペシャルセレクション 7)
常世長鳴鳥
(山岸凉子スペシャルセレクション 7)


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