ホーム » 小説 » 小説/ま行 » マテオ・ファルコーネ(メリメ)

922 名前:本当にあった怖い名無し :2012/12/07(金) 21:58:04.20
メリメ原作の『マテオ・ファルコーネ』という短編小説。
フランスの近くにある『コルシカ島』という島の住人は
義理堅く気性が荒い。また裏切り者を決して許さない気風を持っている。
その島の住人マテオ・ファルコーネもそんなコルシカ人の一人だ。

作者メリメはコルシカ島へ行き、
マテオから話を聞く。


923 名前:本当にあった怖い名無し :2012/12/07(金) 22:01:05.91
彼には妻との間に二人の娘がいたが、
マテオは「女は役に立たん」と息子を望んでいた。
やっと出来た跡継ぎ息子・フォルチュナトを厳しく躾け、
立派なコルシカの男になるべく教育する。

フォルチュナトが10歳の時、
彼は役人に騙され、銀時計と引換えにお尋ね者の居場所を教えてしまう。
彼の居場所を教えないと誓ったにも関わらず、
銀時計ひとつで買収されたフォルチュナトを、マテオはどうしても許せない。


924 名前:本当にあった怖い名無し :2012/12/07(金) 22:06:17.54
「俺の血筋で人を裏切りやがったのは、後にも先にもこいつだけだ」と言い放ち、
壁にかけてあった銃をとった。

マテオは家から離れた窪地にフォルチュナトを連れていき、お祈りをさせた後に
人を裏切った罰として、まだ10歳の息子をためらいもなく撃ち殺したのだった。
メリメは最後にこう書いている。


925 名前:本当にあった怖い名無し :2012/12/07(金) 22:08:55.24
「マテオ・ファルコーネとはこういう男なのだ。
 裏切りという、人間社会の一つの掟と、可愛いわが子の命を引き換えにした男…。
 彼のしたことには、様々な角度から、様々な批判が下されるだろう。
 だが、この事件の起こった当時、少なくともコルシカでは彼の評判は素晴らしく、
 『マテオこそ、男の中の男だ』とか『彼こそ本当のコルシカ人だ』と
 人々は彼を褒め称えた。コルシカ島とはそういう所であり、
 コルシカ人とはそういう人々なのだ。

926 名前:本当にあった怖い名無し :2012/12/07(金) 22:12:59.17
私がマテオ・ファルコーネに会ったのは、最初に書いた通り、この事件の一年後だ。
とがった鼻、焼けた肌、たくましい体…見かけはいかにもたくましかったが、
そういえば彼の髪にはひとすじ、ふたすじ白いものが光っていたし、
眉間には深い縦皺が刻まれていた。
そして、すこぶる無口であった。
彼も人の子、大事な跡取り息子を手に掛けたことを、
時には悔やむこともあったに相違ない」

927 名前:本当にあった怖い名無し :2012/12/07(金) 22:19:58.56
>>922-926
その話、筒井康隆が著書の中で紹介していたのを思い出した。
父の苛烈さに身のすくむ思いがした、みたいなこと書いてたな。

928 名前:本当にあった怖い名無し :2012/12/07(金) 22:30:53.28
タイトルだけ聞いたことあったけど、こういう話だったのか!
メリメって、「イールのヴィーナス」の人だっけ

 

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