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398本当にあった怖い名無し:2012/12/26(水) 09:50:33.98
手塚治虫の短編『夜よさよなら』

舞台はメキシコ。日本人とインディオのハーフである主人公は
馬に乗って遠出している最中に崖から落ちてしまう。
馬は首を折って即死、自らの足も折れて動けない。
そんな彼のもとに、不思議な声が語りかけてくる。
「目の前にある大きな石をどけてください。下敷きになっているんです」
石をなんとかどけてみると、そこにはサボテンがあった。このサボテンこそ声の主だったのだ。

次の日から主人公は身動き一つ取れないまま何日も灼熱の太陽に晒され続けるという
生き地獄を味わうが、サボテンが助けてくれる。
のどが乾けば水分をたくさん含んでいる自らの体を食べるように教え、
毒蛇に襲われそうになれば必死に説得し、絶望しそうになった時は美少女の姿を取り励ましてくれる。
この献身的なサボテンに主人公はノーチェス(スペイン語で夜という意味)という名前を付け、友情を育んでいく。

その後主人公は救助されて、ノーチェスも一緒に連れて行ってくれるようお願いする。
無事に生還した主人公はサボテンが励ましてくれたおかげで助かったと話をするが、家族は信じない。
ノーチェスも口を利かなくなってしまう。そんなノーチェスを見て主人公は
「けがが回復したら元の土地に返してやる」
と約束するが、別れたくがないために約束を守れなかった。

ある日、主人公は父(日本の海外商社の支社長)の仕事の都合で東京に引っ越すことになって、大喜び。
日本にルーツを持つ彼にとって、日本は憧れの国だったのだ。
ノーチェスも連れて行こうとするが、母に
「まだそんなボロボロのサボテンをかわいがっているの?」
と言われ、置いていかざるを得なくなる。


399本当にあった怖い名無し:2012/12/26(水) 09:51:05.78
憧れの日本での暮らしはあまりにもみじめなものだった。
日本語が下手なためにいじめの格好のターゲットとなったのだ。
いじめっこに反撃したこともあったが、教師に呼び出され散々なじられる。
父の方も仕事がうまくいかず、若い上司にいびられる始末で、どんどん自暴自棄になっていく主人公。
こんな国にいてやるものか。メキシコに帰りたいよ…
すると家の外から懐かしい声が聞こえてきた。ノーチェスだ。

ノーチェスは主人公が発するかすかな気配を追って、
分身(本体からできたコブの一つが落ち、各地を転々としていた)を作って旅をしていたのだ。
再会を喜び合う二人だが、ノーチェスは野生なので鉢植えよりも野に植わっていた方が好きなのだと言う。
二人は誰にも知られずに毎日会おうと約束する。
ところがそこは工事現場だったので、次の日工事に巻き込まれたノーチェスは再び失われてしまったのだった…

一応その後も主人公は希望を失わず、何十年でも待ち続けると決意を固めるというラストになっているんだけど、
終盤の展開にポカーンとなっちまった…
前半のサバイバルかつ幻想的な展開や、ノーチェスの旅の過程は大好きなんだけどね。


418 本当にあった怖い名無し:2012/12/26(水) 21:31:18.89
>>399
サボテンが旅をするってゆうのがどうも…

421 本当にあった怖い名無し:2012/12/26(水) 23:29:49.66
>>418
本体にできたコブの一つが窓から落ちる→トラックに詰まれていた豚の鼻に入って捨てられる→
アメリカ密入国者の袋に付着→コカイン袋に紛れこむ→押収した密輸品を運ぶパトカーから落ちる→
水兵の持っていた荷物に付着し、第七艦隊のミサイル巡洋艦(日本行き)に乗り込む→
海軍の不用品が詰まれたトラックから捨てられる→
主人公の家の近くに落ち、根付く…って感じだったよ
植物は種の状態での移動手段が豊富なのは知られているけど、このアイデアはすごく面白いと思う

 

夜よさよなら (手塚治虫漫画全集 (325))
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