ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その138 » 最上殿始末(手塚治虫)

55本当にあった怖い名無し:2013/02/24(日) 03:13:46.68
手塚治虫の怪奇短編集か何かであった話

舞台はおそらく戦国時代の日本。婚儀を控えた猜疑心の強い地方領主は
許婚の姫の家の手勢に暗殺されることを恐れて(当人同士は慕い合っている)
影武者を立てることを思い立ち、背格好の似た一人の農夫を見つけて召抱える。
その男の存在を消すため、彼の妻子を直後に殺して家も焼き払って…

何も知らずに城に隔離された農夫は秘密裏の特訓で武芸や作法を身につけさせられ
やがて風貌も挙動も本物と瓜二つとなって「領主のふりで馬で遠出せよ」と命じられて
今の姿を見せてやろうと思い立って村を訪れ、家族が殺されていたと知ってしまった。

怒りと悲しみで嘆き、また自身も用が済めば殺されると悟った農夫は復讐と成り代わりを決意する。
婚儀当日、本物の領主が猜疑心ゆえに影武者の存在を知る重臣をも口封じに殺した本物の領主を、
隠し部屋に潜んだところでそのまま殺し、まんまと本物の死を隠して地位の簒奪に成功する。
(余談だこの仕掛けは同じく手塚の幕末もの「陽だまりの樹」では、虚弱な将軍と米国特使の謁見で
「本人が表に出て隠れた代弁者が発言する」という形で登場している。)

偽領主は新しい奥方にのみは初夜の後で正体を飽かした。誰にも打ち明けることはできないと踏んで。
想い人を殺して成り代わった男の妻という屈辱的な生活の中、
奥方は密かに城下に出て他の男と肉体関係に。

それを知っても小さな復讐と意に介さず、彼女を組し抱き続けた偽領主だが……
だが、奥方が交わっていたのはは性病患者とだった。コレこそが真の復讐だったのだ。
病気でボロボロに崩れた顔になった偽領主はひとりごつ。「奥よ、お前の勝ちだ…」

 

火の山 (手塚治虫漫画全集 (265))
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