ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その139 » アラベラ(リヒャルト・シュトラウス)

233本当にあった怖い名無し:2013/04/22(月) 01:23:29.04
リヒャルト・シュトラウス作曲のオペラ「アラベラ」

ウィーンで暮らす没落貴族のヴァルトナー伯爵一家。
主のヴァルトナー伯爵はかつては戦場に赴いたりしたものの、
現在は退役し、ギャンブル三昧の日常を送った結果、
財産を食いつぶして路頭に迷う寸前。
屋敷を失いホテルで生活しているが、滞在費が払えず、
いつ追い出されるかわからない日々を送っている。

ヴァルトナー伯爵には二人の娘がいる。
長女のアラベラと次女のズデンカだ。
だが娘二人を社交界にデビューさせる財力がないため
次女のズデンカは男装させられて男の子ということになっている。
長女のアラベラは社交界で話題の美人。
両親はこの娘を玉の輿に乗せて、
なんとかお金に困らない生活をおくれないかと考えている。
そんなアラベラは、現在三人の貴族に求婚されているのだが、
この貴族たちはみな似たり寄ったりのぱっとしない連中で
誰を選んだらいいのか判断できずにいる。


234本当にあった怖い名無し:2013/04/22(月) 01:24:02.55
アラベラにはマッテオという元彼がいる。
二人はかつてつきあっていたのだが、
マッテオはお金がなく、両親は二人の仲に反対だった。
アラベラ自身も、マッテオにはもう興味はない、つきまとわれるのは迷惑と言うが
マッテオはまだアラベラを想い続けている。

アラベラの妹のズデンカは、密かに姉の恋人であったマッテオに想いを寄せていた。
だがマッテオはズデンカを男だと思っているので、アラベラに対する恋の相談をする。
思い余ったズデンカは、姉の振りをして恋文を書き、それをマッテオに渡している。
情熱のこもった手紙に喜ぶマッテオだが、
そんな手紙をくれるアラベラが、いざ会うと冷たいので困惑してしまう。
そしてそんな不満や悲しみを、同性の親友だと思っている
ズデンカに切々と語るのだった。

ズデンカはマッテオの気持ちを思い、
アラベラにマッテオこそが幸せにしてくれる人だ、
彼を選んでくれと頼むのだが、姉のアラベラは首を縦に振らない。
それどころか、さっきホテルの外で見かけた異国風の男性が気になる、
あの人こそ運命の人かもと言い出すのだった。


235 本当にあった怖い名無し:2013/04/22(月) 01:24:43.03
一方、アラベラの父は、かつての軍隊仲間である、
マンドリカという男性に手紙を書いていた。
この老人はクロアチアに広大な領地を持つ大富豪で
同時に無類の女好きでもあった。
手紙にアラベラの写真を同封すれば、
女好きのマンドリカはアラベラと結婚したいと言い出すだろう。
そうなれば我が家は救われるというのだ。
母親はさすがに「そんなおじいさんが相手では娘が可哀想」と言うが
金に目がくらんだ父は聞く耳を持たない。

そこへ、一人の青年がやってくる。
その青年はマンドリカと名乗り、アラベラの父が書いた手紙を携えていた。
アラベラの父の軍隊仲間だったマンドリカは既に亡くなっており
甥である同じ名の青年が遺産を受け継いでいた。
マンドリカはアラベラの写真を見て一目惚れし、求婚に来たと言う。
当然、アラベラの父は喜ぶが、ズデンカは複雑な気持ちになる。
アラベラが他の人を選んだら、マッテオは絶望してしまうだろう。
なんとかしてマッテオを救いたいとズデンカは考える。


236 本当にあった怖い名無し:2013/04/22(月) 01:26:33.70
アラベラとマンドリカは、ウィーンの街の舞踏会で引き会わされる。
マンドリカこそ、アラベラがホテルの外で見かけた男性だった。

アラベラはマンドリカの求婚を受け入れることにするが、
マンドリカと結婚すれば、ウィーンを離れてクロアチアに行かねばならない。
アラベラは今夜一晩の猶予がほしい。
ウィーンで過ごす最後の夜を楽しませてほしいと頼み、
マンドリカはそれを承知する。
アラベラは舞踏会で自分に求婚していた三人の貴族それぞれと踊り
一人一人に丁寧な別れを告げる。

一方、そんな様子を物陰から見ていたマッテオ(忍び込んでいた)は
状況に絶望し、自殺すると言い出す。
ズデンカはなんとかマッテオを救おうと、姉の部屋の鍵だと偽って、
自分の部屋の鍵を渡し、夜になったら忍んできてくれと言う。
ところがこのやりとりが、マンドリカに聞こえてしまっていた。
マンドリカはついさっき、自分と結婚すると言った女性が
他の男性を部屋に招きいれようとしていると知って、ひどく怒る。
会場でアラベラを探すが、アラベラはすでに帰宅してしまったあとだった。


237 本当にあった怖い名無し:2013/04/22(月) 01:27:19.86
アラベラが舞踏会の会場からホテルに戻ってくると、階段をマッテオが下りてくる。
彼はアラベラの振りをしたズデンカと関係を持ったばかりなので、
ついさっきまで寝所をともにしていた相手が外から入ってきたのでひどく驚く。
なれなれしく「今夜のことは忘れない」と言い出すマッテオ。
アラベラはなんのことだかわからずに当惑する。

そこへマンドリカが、アラベラの両親を連れてやってくる。
マンドリカはアラベラをふしだらだと責め、
アラベラの父は「娘はそんなことをしない。侮辱するのなら決闘だ」と言い出す。
ごちゃごちゃと派手にもめ始め、アラベラとマンドリカの結婚は白紙に、
マンドリカとマッテオは決闘をすることになってしまう。
そこへ寝巻き姿のズデンカが飛び込んできて、真相を話す。

マッテオの心を救いたいと姉の振りをしたが、
それによって姉の縁談を破談にするつもりはなかったのだ。
ごめんなさい、私を許してと言うズデンカに
あなたは大切な妹、私よりずっと優しい心を持っている、とアラベラは言う。
マッテオはようやく、ずっと愛に満ちた手紙をくれていたのが
ズデンカの方だということに気がつく。
マンドリカも状況を理解し、なんということだと恥じ入る。

最終的にはマッテオはズデンカと結婚することになり、
アラベラはマンドリカの許へ行くと約束して、オペラは終わる。


238 本当にあった怖い名無し:2013/04/22(月) 01:28:11.82
うん……ぱっと見、綺麗なハッピーエンドなんだよね。
でも、マッテオみたいな情けない男が、
結婚した相手を幸せにできるんだろうか。
華やかな都会の生活に慣れているアラベラが、
ど田舎の領主で趣味は熊狩りって男と結婚して幸せになれるんだろうか。

なんかどうにも見終わったあともやもやが止まらない。

そしてもう一つ、このオペラにまつわる後味の悪い話。
このオペラの脚本を書いたフーゴ・フォン・ホフマンスタールは、
リヒャルト・シュトラウスのオペラの脚本を何作も手がけている。
その中には、リヒャルト・シュトラウスの代表作「バラの騎士」も入っている。
「アラベラ」は彼とシュトラウスが手がけた最後の作品になった。
というのも、このオペラを作っている最中、
ホフマンスタールの息子がピストル自殺してしまったのだ。
息子の死がショックだったホフマンスタールは、
葬儀の最中に脳卒中を起こして倒れ、
最後の作品が上演されるのを見ることのないうちに、
帰らぬ人となってしまった。


241 本当にあった怖い名無し:2013/04/22(月) 03:55:57.27
>>238
うーん…でも結婚ってそういうものなんじゃない?
妥協と慣れでやっていくものだと思うよ
結婚した人がみんな幸せになれるかというと、そうじゃないのは現代でも同じでしょ
でもこの作品ではそれぞれ相手を自分で選んで結局は綺麗に収まっているし、後味悪くはないかな

 

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