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1681/3:2013/06/07(金) 13:25:07.61
山岸凉子「鬼子母神」1993年

主人公の瑞季は双子の片割れの女の子。
「私は悪魔で兄は王子様です。父は表札です。これではメルヘンです」
「母は菩薩様です。悪魔の私を見ても”あらまぁ”と言っただけで優しく微笑んでくれました」
平凡な女の子である瑞季から見た、自慢の兄の転落と兄を溺愛した母が語られる。

父は仕事とゴルフに没頭し、双子の育児で疲れた母にも
「家庭の事は君に任せているじゃないか、僕は家庭のために一生懸命仕事してるんだよ」
と言うだけ。
後に単身赴任し、正月にもろくに帰ってこないので瑞季は父の顔を忘れてしまった。
瑞季と兄が高校生の時に両親は離婚し、父は長年の愛人と再婚した。

瑞季が兄を王子様と思うだけあって、兄は子供の頃から美少年でソツがなく優秀ないい子だった。
瑞季は普通の不器用な子供で、兄と比べて見劣りがするので自分を悪魔に見立てるようになった。

母は兄に勉強を強要した事はなかったが、誉める時には
「やっぱりこれが実力ね、さすがお兄ちゃん。ママ嬉しいわ」
珍しく悪い点を取れば
「困ったわね、このままではパパのように苦労するわよ」
と言うのだった。


1692/3:2013/06/07(金) 13:26:31.73
兄は東大合格率トップの難関高校で落ちこぼれ中退した。
中の下レベルの高校に進んだ瑞季から見れば、集団の中で優劣がつくのは当たり前。
一年の途中から登校しなくなった兄のために帰宅した表札の父は、頼もしい親父の仮装で励ました。
兄は暴れて部屋を破壊し、金属バットで表札を追い回した。
表札は赴任先に逃げ帰った。
ショックを受けて思わず家を飛び出した瑞季は、女友達に誘われるまま初めて外泊した。

瑞季は高校で、不良がかったリア充グループに可愛がられてそれなりに楽しくやっていた。
隣のクラスの男子(以下、モヤシ君)に思いを寄せられていたが、瑞季の好みではない。
不良の女友達に
「こいつ王子様がタイプなんだよww」
「品行方正なガリ勉のイケメン。この学校に絶対いないタイプww」
と言い当てられて、(あたしってブラコンだったんだ…)
と、初体験を済ませた女子の慧眼に驚いた事がある。

瑞季は不良仲間の溜まり場らしいマンションで目をさました。
女友達と知らない男子が雑魚寝している。
なぜかモヤシ君もいた。父や兄とは正反対の彼と話すうち、瑞季の心は晴れていた。


170 3/3:2013/06/07(金) 13:27:46.96
瑞季は高校を卒業すると、スナックの厨房で働くことになったモヤシ君と同棲し、
バイトしながら小さな劇団でコントを演じている。
兄は大検で受かった私大にもほとんど通えず、
大学院に行きたいとか言いながら朝から酒を飲んでいる。

父が母をほったらかしにしたせいで、兄は高校中退=中卒。
大学も中退か除籍で結局中卒のアル中引きこもり。
瑞季は自立してるけど、高卒で職歴はバイト、「きちんとお嫁に行ってほしかった」のに
高卒の水商売と同棲してお笑い芸人みたいな事をやっている。
10年後はどうなってるかな、という後味の悪さ。


171 本当にあった怖い名無し:2013/06/07(金) 15:34:52.52
適当に人生を流してきた人間の自業自得で
それ程後味わるいような感じはしないのだが。

172 本当にあった怖い名無し:2013/06/07(金) 15:37:12.09
普通に異常な家庭環境から離脱できた主人公が
「俺たちの戦いはこれからだ!」で終わるすっきり系の話だと思うんだが

 

鬼子母神 (山岸凉子スペシャルセレクション 9)
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黒鳥―ブラック・スワン (白泉社文庫)
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