THE WAVE

796Wave1:2013/07/03(水) 01:29:36.68
ドイツ映画「Wave」。いわゆる「es系」の洗脳実験もの。

そこそこ生徒には慕われているものの、
短大卒の体育教師という学歴から同僚からはナメられ、
自身もそれをコンプレックスに感じている高校教師が主人公。

彼が一週間受け持つことになった実習。
テーマは「独裁」。
生徒に問う。
「独裁とは何か?思う意見は?」
「はい、規律です」「画一されたイデオロギーってこと?」
「国粋主義ってこともあるよね」「国を愛するのは悪くないだろ」…
あくまで生徒に、自主的な議論を促す。

そして、まとめとして明日からの実践要項を纏める。
彼のした授業はそういうものだった。
規律、では、発言するときは立つように。
画一性、では、明日からはみな白いシャツで統一しよう……
そして、提案により、実習クラスに名前が付けられる。
「Wave」。

生徒たちの評判も上々だ。
普段怠け者の生徒が、自主的にホームページをつくったり、
これまで交流なかったクラスメイトをいじめから救ったり、
「Wave」としての振る舞いは実生活にも、主にポジティブに表れていく。


797Wave2:2013/07/03(水) 01:55:34.34
しかし、集団として団結が高まれば、部外者を排除しようという力学も必然する。
実習の方向に疑問を掲げる生徒を、何となく疎んじるようになったり、
他校とのスポーツの試合で、必要以上の敵意を発して、暴力沙汰になったり…
また、ある生徒Aが、半ば心酔する程に「Wave」にのめり込んでいるのも問題だ。

なかでも極め付けは、工事中のビルにデカデカと描かれた「Wave」のロゴマーク。
ここに至っては、流石に教師も声を荒げる。
「誰が犯人かは問わない。知りたくもない。知ってしまったら、私は警察に通報しないといけない。
 しかし君たち、私はこんなこと望んでいない。これは犯罪だ!!」

職員室でも噂になっているらしい。
周りの視線が冷たい。
(俺は所詮二流教師。たまたま生徒に、ちょっと慕われたいい気になっちまった。
 しかし…誰だってそうだろ?生徒に慕われたいのは、教師の性だろ?)

授業は最終日を迎える。


798 Wave3:2013/07/03(水) 02:50:11.19
生徒の書いた授業の感想を読み上げる教師。
「団結の素晴らしさが分かった」「今後もこの活動を続けるべきだ」
「そうだ。『Wave』こそが唯一の正解!!私は、今後もこの活動を続け、全ドイツに、この活動を広める!!」
一同拍手喝采。しかし、
「今後も続けるって…それは流石におかしいです!」
一人だけ、異を唱える者が居て、生徒数人に強引に前へ引きずり出される。
「ハイル、異端者はどのように?」
「どうするのかね?私が殺せと言ったら、君たちは殺すのかい?」
これまでと空気の違う、教師の声に怯む生徒に、続けて言う教師。
「今君たちが置かれているこの状況、これこそが『独裁』なんだよ。
 私も、君たちに色々謝罪しなければいけない。さあ、解散だ。」

皆、我に返ったように、帰宅の準備を始めようと……
「まだ帰るな!!『Wave』は終わらない。終わらないんだよ……」
Aが拳銃を構えている。
教師の説得で、落ち着いたかのように見えたA。
しかし、その一瞬後、自らの口内に、銃弾を……

警察に連行される教師。
車から窓の外を見、目を見開いた……でエンド。


799 本当にあった怖い名無し:2013/07/03(水) 03:13:13.32
>>796
面白かった!

802 796:2013/07/03(水) 09:33:16.03
>>799
サンクス。
ただ、はっきり言うと、映画そのものはあんまり出来が良くないw
俺の解釈でかなり辻褄合わせたが、映画だけだと、多分編集が下手糞何だと思うが、
大分描写が言葉足らずで、ここの意味かよく分からない…とかって人も居ると思う。
惜しいんだよな、題材やアイディアはかなりイイのに…

 

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