狼(藤田あつ子)
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474:1/7:2013/09/06(金) 15:17:06.44
- 藤田あつ子「狼」
昔々、動物好きの優しいお爺さんが山に入ると、
岩の割れ目に狼の仔が落ちていたので可哀想に思って拾って育ててやりました。
名前をつけて可愛がっていますと狼の仔はお爺さんの手から餌を食べるほどに懐きましたが、
だんだん大きくなってうっかりお爺さんの手を噛みそうになりました。
お爺さんは狼が一人前に育ったことを知って山に帰してやりました。ある日山に入ったお爺さんは、あの狼を見つけました。
名前を呼ぶと尻尾を振ってやって来ます。
恩というものを理解しないけだものは、お爺さんを生きたまま食べてしまいました。
…という中国の昔話を元にした短編漫画。
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475:2/7:2013/09/06(金) 15:20:24.92
- 遠くで戦乱があり、この平和な地方にも難民や乞食が増えてきた。
ある人品卑しからぬ中年夫婦、お寺詣りの帰りに子供の乞食に小銭を与えた。
丁寧に礼を言うので哀れに思って連れ帰り、
汚れを落として娘のお下がりを着せてみるとなかなかの美幼女。
名前を尋ねると側にあった筆を取り、美しい字で「麗君」と署名した。
字が書ける事に驚いてさらに尋ねると、
亡父は医者で読み書きも教えてくれました、と答えた。
こんなによくしていただいて、御恩は一生忘れません。と涙を流す幼女に同情した奥様は、
麗君を一人娘「滴珠」に友達兼小間使いとして与えた。
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476 :3/7:2013/09/06(金) 15:22:38.73
- 婆やは裏庭で煙管をふかし、奥様は優しすぎる、金を与えて追い出すか
せいぜい台所の下働きにしてやるだけでいいのに。と毒づいている。
翌朝婆やは寝床で死んでいた。
(麗君が物陰から婆やを睨んでいる描写あり。医者の父から受け継いだ毒を盛ったと推測できる)時が経ち、滴珠はやや残念なぽっちゃりに、麗君は玲瓏とした美少女に成長した。
(作者は主役と準主役以外はものっそい適当な顔にする人で、この滴珠は準主役なのに脇役顔)主人夫婦は親に死なれた甥を引き取る事になり、麗君と同じ年頃の従僕「葉通」が甥付きになった。
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477 :4/7:2013/09/06(金) 15:24:45.41
- 麗君は甥に、お嬢様が読みたがっておられるから、と嘘をついて漢詩の本を借り、
滴珠には、(甥)さんが貴女に読んでほしいのですって、葉通から預かったのだけど…と嘘をついて、
麗君自身で恋愛詩の所にしおりを挟んだその本を渡した。
この嘘で滴珠の甥への片想いを後押しした麗君は、
ご両親が留守の晩に庭の四阿で逢引きすればいい、
ご両親も貴女がたを結婚させるつもりだし私も貴女に幸せになってほしい、と煽る。主人夫婦は本当に甥を滴珠の婿にする予定だった。
麗君の事は、元乞食だと知れ渡っているからいい所にはやれない、
美人で教養もあるのに使用人と結婚させるしかない…と同情していた。
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478 :5/7:2013/09/06(金) 15:27:44.73
- 葉通は麗君に結婚を申し込んだが、麗君は、
お嬢様"も"あなたを愛しているから私は身を引く、
結婚してから私を妾にすればいい、と嘘をつき、
旦那様と奥様が留守の晩に庭の四阿で逢引きすればいい、と煽った。しばらくして滴珠と葉通が駆け落ちした。
数ヵ月後、滴珠が川で水死した。妊娠していたと、検死でわかった。
奥様は心労で倒れ、葉通を恨みながら死んだ。
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479 :6/7:2013/09/06(金) 15:34:09.80
- しばらくして葉通が逮捕され、真相を吐いた。
庭の四阿で逢引きした滴珠は、いつも決まり悪そうだった。
恥ずかしがっていると思い込んでいたが、
本当は甥を待っていたのだと気づいたのはずっと後になってからだった。
そうこうするうち子供ができてしまい、
「親にはとても言えないから責任をとって駆け落ちしてくれ」と言われて駆け落ちした。
滴珠は目を離した隙に川に飛び込んで水死した。決して殺してなどいない。
好きでもない男と食うに困る暮らしをする事に耐えきれなくなったのだろう。
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480 :7/7:2013/09/06(金) 15:37:00.35
- 「私たちは麗君に騙されたのです、旦那様も奥様も…
やがて自分達を食い殺す事になる狼を大事に育てていたのです」その頃麗君は、心労で倒れた旦那様に
「亡父秘伝の疲れがとれる薬」と偽った毒を飲ませていた。終主人公麗君の気持ちとか心の動きが一切描かれないから、
なんかこう、モヤモヤする終わり方だった。
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483 :本当にあった怖い名無し:2013/09/06(金) 16:44:17.12
- 一度目は甥が葉通と読んでしまった。
お嬢様は甥待ってるのになんで下男の葉通とやってしまうのかね?