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9301/2:2013/09/16(月) 14:22:16.79
藤子・F・不二雄「間引き」

ごく普通の初老夫婦が主役。
夫はターミナル駅のコインロッカーの管理人というか監視員。
妻は専業主婦だが、夫にカップ麺1つだけの弁当を渡す。
「昔はあんなんじゃなかった…情の深い女だったが」

舞台は近未来で、人口爆発により世界的に食糧難で、配給制度が復活している。
保険の外交がカロリー保険に勧誘するが、夫は断った。
カロリー保険とは、加入者が平均余命前に死んだ場合に、
死亡年齢から平均余命までの期間で摂取したに違いないカロリーを
配給券に替えて遺族に支給するというもの。

最近捨て子が増えているのでこのコインロッカーを密着取材したい、
という記者は、奇妙な仮説をとなえた。


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最近捨て子が増えている。捨て子だけではない、些細な理由で起こる殺人も。
母性愛や隣人愛といった本能が壊れ始めているのだ、
天敵を持たぬ人類を大自然がこうやって間引きして、
適正な人口に抑えようとしているのかもしれない。
…演説をぶつ記者の目の前で、赤ん坊を捨てた学生カップルが逮捕された。
「アタイが作ったもんをアタイが捨てて何が悪いのよォ関係ないでしょォ」
と、罪悪感のかけらもない。

いつの間にか終業時間を過ぎていた。
妻が珍しく夜食のおにぎりを持ってきてくれたので
喜んで食べた夫は、あっけなく倒れた。
「ごめんね、青酸カリ入れたの。あなたをカロリー保険に入れたのよ…
  だって、お腹がペコペコなんですもの」

 

ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
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(小学館文庫―藤子・F・不二雄
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藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 1 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
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