北海道の障害病院

554本当にあった怖い名無し:2013/10/03(木) 13:10:40.60
昔(25年くらい前)
場所は北海道のとある港町とだけ言っておこう。
高校生の俺は病院のボランティアに行っていた。

そしたらそこにいたのは
無脳症の赤ちゃん(脳がないからずっと変な動きしてる)
なんと、無脳症はその地方だけで一週間に一人は生まれてくる。
そして一週間ほどで死んでしまうという話を淡々と副院長が話してくれた。

あとは、両親が大恋愛で結婚したんだが
生まれた途端に障害のある赤ちゃんをここに預けて、
一度も見舞いに来ないとか…そういう人はたくさんいるんだと聞かされた。

他にも精神虚弱や自閉症などの人がいたんだが、
その中に体が動かない寝たきりで、脳に病気があるという人がいた。
俺のボランティア仲間でヒデキ(仮名)ってやつが
一ヶ月に一度必ずボランティアに言って、
その人ととりとめのない話をするのが習慣だった。


555本当にあった怖い名無し:2013/10/03(木) 13:11:22.03
修学旅行直前のボランティアにヒデキが言った時。
俺も偶然その人と話す機会があった。
ヒデキが「今度、修学旅行に行くんだ。金閣寺の絵葉書買ってきてあげる」と言ったら
「あーあー、きーんかくじー、ぼくぅー、むかし、みーたーよぉー」
「何で見たの?」
「えーはぁーがーきぃー。いったーことはーないーんだー」
「そっかあ、でもデザインが変わってるかも知れないから
 やっぱり買ってくるよ。八つ橋もいる?」
「そーんなー、こーとー、ひーでーきーくんがー
 ほしいーものーをーかってーきーなさーいー。
 いっしょうにーいちどーのーしゅうーがくーりょーこうーだからー」
「分かった、楽しんでくるね」
「きーをーつーけーてぇーねー。
 かーんこーうはー、すりがぁー、おおいーからー」

ゆっくりだが、確かに会話をしている。
それに気遣いや遠慮もちゃんとしているし、
「金閣寺」「スリ」などの固有名詞もしっかり会話に盛り込んでいる。


556 本当にあった怖い名無し:2013/10/03(木) 13:12:04.12
後から副院長に聞いたのは、
生まれつきの障害で言葉が遅く、また全身が動かない。
その人は31年この病院にいて、両親は金だけはあったものだから
ずっと病院にぶち込んで見舞いには来ない。
おおやけになったらまずいからと言う事情らしい…
つまり、知能は全くの正常で
むしろとても頭がいい。
だがこの病院にいるせいでまともな教育は受けていないという…

ヒデキはその後大学進学した後もずっと
一ヶ月に一度のボランティアと一週間に二回の話し相手をやめなかった。
ヒデキが札幌で就職して5年目にその人が肺炎で亡くなったと連絡が来た。
その時のヒデキは黙って泣いていた。

今でもこの病院のことは公にはなっていない。
でもあの日見た無脳症や障害児たちのことは
未だに鮮明に思い出すことが出来る。


557 本当にあった怖い名無し:2013/10/03(木) 13:24:39.15
無脳症って、体外生きていられるの?

558 本当にあった怖い名無し:2013/10/03(木) 14:09:35.86
いや、生きても数時間が限界のはず

559 本当にあった怖い名無し:2013/10/03(木) 15:33:04.09
そこでは案外生きるもんだと聞かされたんだがな。
処分してんのか?とか疑ってた

567 本当にあった怖い名無し:2013/10/03(木) 18:01:39.29
>>557 >>558 >>559
海外(多分アメリカ)で、二歳くらいまで育った例がある