西部戦線異状なし(E.M. レマルク)

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第一次世界大戦が舞台の小説&映画「西部戦線異状なし」

1915年、ドイツでは戦場へ向かう兵士の列に民衆が手を振っていた。
学校でも教授が愛国心を説き、英雄になるよう学生達に戦場へ行くよう熱弁する。
戦場での栄光を夢見たパウル(映画版ではポール)やクラスメイトはこぞって軍に志願した。
軍では元軍人だった郵便屋が服役して意地悪い上官になっていた。
泥の中を匍匐前進するなど厳しい訓練をこなしてパウルや級友達は戦場へ向かうことになった。
戦場ではカチンスキーら古参兵が温かく迎えてくれた。

パウル達の最初の任務は前線に鉄条網を敷設することだった。
カチンスキーを先頭に、真夜中の戦場を静かに進んでいく。
無事に敷設が済んだと思いきや、敵の砲撃が始まり
級友のベームが目を負傷、ふらついたところを射殺される。

国にいたとき思い描いていた戦争は存在しなかった。
塹壕では何時までたっても待機命令が解除されない。
ただ砲撃の爆音と衝撃がパウル達新兵を消耗させる。
ひときわ大きな衝撃の後、クラスメイトのフランツは恐怖に耐えかねて
塹壕の外に出てしまい、砲弾の破片で脚を砕かれた。
砲撃の後、フランス軍が大挙して押し寄せた。

パウル達は後退と前進を繰り返し、多くの兵士が死んだ。
しかし、戦線は全く動いていない。


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パウルら第2中隊は束の間の休息のため後方に下がっていた。
級友達はフランツの見舞いに行く。
野戦病院にて、フランツは右脚を切断されていた。
ミユツレルはフランツの高級ブーツを有効に使ってやるといって持っていってしまう。
フランツは衰弱していくが軍医は助かる見込みのないものへ見向きもしない。
ミユツレルはフランツのお気に入りのブーツを、
彼の死後看護兵に盗まれるのが耐えられないから持って言ったことをパウルに明かす。

数日後、高級ブーツを履いたミユツレルは敵の砲弾に当たって死んだ。
ミユツレルからブーツを盗ったものは突撃の際弾に当たって死んだ。

ある日、フランス軍の突撃を阻止した際パウルは砲弾穴に閉じ込められる。
退却する敵をやり過ごしていたが、あるフランス兵に見つかってしまい、持っていたナイフで刺す。
穴の周りでは機関銃が飛び交い、出られそうにない。
穴には瀕死のフランス兵とパウルだけが取り残されていた。
パウルは良心の呵責から何とかフランス兵を助けようとするが、手立てがない。
また、なかなか死なない彼に対して苛立ちも覚えてしまう。
長い時間を経てフランス兵が死んだ時、彼のポケットから妻子の写真を見てしまう。
パウルは死体に向かって後悔するだけだった。

部隊に戻ったパウルは行進中に級友のアルバートと共に
砲弾に当たって負傷、二人は病院で治療を受ける。
病院では病室から別室に送られたものは必ず死ぬと言われていた。
パウルは治療のため部屋から出ることを激しく拒んだが無理矢理連れられてしまう。

数日後、パウルは治療が成功し、無事に病室へ戻ってきた。
しかしアルバートは脚を切断していた。


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保養のためパウルは故郷に数日間戻ることを許された。
3年ぶりの故郷は体が欠損した元兵士や、
物資不足で腹を空かせた子供達しかおらず、以前の熱気はなかった。
父とその友人はパウルを英雄と褒め称えるが、戦線が膠着しているのを軟弱だと切り捨てる。
彼らはパリを焼くための戦略を好き勝手に議論し始めた。
見かねたパウルは何も言わずにその場を後にした。

学校では相変わらず教授が後輩達に愛国心を諭していた。
教授らはパウルに戦場での話をするよう懇願する。
パウルは戦場での話をする。
戦場には栄光も英雄もおらず、生か死があるだけだ、と。
そして若者を焚付けて死へと追いやる教授を激しく非難する。
そんなパウルをみて、後輩達は彼のことを愛国心のない売国奴だと罵った。

パウルは変わってしまっていた。しかし家族も故郷も何も変わっていない。
パウルの家は戦場であった。彼は予定よりも早く故郷を引き上げた。

第2中隊に戻ると若年兵が数人と古参兵が一人だけ。他の面々は全滅したと聞く。
しかしカチンスキーは健在であり、パウルは意気揚々よ彼に会いに行く。
カチンスキーは戦線の近くで食糧を探していた。
パウルはカチンスキーら兵士だけが家族だと明かす。
その時航空機から爆弾が落ち、カチンスキーは破片で歩けなくなる。
彼を背負って陣地に戻る途中、後ろでもう一個爆弾が落ちる。
どうやらなんら被害はないようで、二人まとめてくたばってたまるか、パウルは空に向かって叫んだ。
軍医へカチンスキーを託すと、死体を持ってくるなと叱られた。
そんなはずはない、さっきまで話していたとパウルはカチンスキーを呼びかけるが、事切れていた。
二発目の爆弾で既にカチンスキーは死んでいた。
親友のあまりにも突然すぎる死にただ呆然とするしかなかった。

ある日の塹壕は珍しく穏やかだった。
ハーモニカの音が聞こえ、蝶が一匹迷い込む。
パウルは蝶を手にしようと塹壕から身を乗り出した。
一発の銃声の後、パウルの命は消えた。
しかし、彼の死などに関係なく、その日の報告書にはこう書かれていた。
「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」


911 本当にあった怖い名無し:2013/10/12(土) 23:40:22.55
映画版冒頭、戦争の熱にあてられてイっちゃった感じの学生がアップになるシーンが怖かったわ

 

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